イタリアンミツバチ

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イタリアンミツバチ(Apis mellifera ligustica)は、イタリア半島原産で、腹部にはっきりした黄色い帯をもち、温和で蜂児を多く育てるセイヨウミツバチの亜種です。世界で最も広く使われている品種で、温暖な気候と、長く途切れない蜜源のある地域で力を発揮します。弱点は、冬の貯蜜消費が多いこと、秋に産卵を止めるのが遅いこと、そして盗蜂の傾向です。

イタリアンミツバチの原産地はどこで、どこへ広がったのか?

イタリアンミツバチの名は、北イタリアのリグーリア地方に由来します(ligustica)。自然分布域はアルプスの南側から始まるイタリア半島で、シチリア島には別亜種のシチリアミツバチが生息しています。

19世紀半ば以降、イタリアンミツバチはヨーロッパのほかの国々、北米・南米、オーストラリア、ニュージーランドへ運ばれました。今日ではこれらの国の商業養蜂の基本品種です。温和さ、明るい体色、強い群勢が、特に大規模経営にとって魅力となってきました。

リグーリアで白い花にとまるイタリアンミツバチ
名前の由来となったリグーリア地方で、A. m. ligustica と同定されたイタリアンミツバチ。この品種の故郷は北イタリアのこの沿岸地方です。写真:Luca Fornasari / Wikimedia Commons · CC BY 4.0
トスカーナで白い花房にとまるイタリアンミツバチ
トスカーナで、A. m. ligustica と同定された働き蜂。イタリアの温暖な気候と長い流蜜期が、この品種の絶えず蜂児を育てる習性を形づくりました。写真:Mattia Menchetti / Wikimedia Commons · CC BY 4.0

イタリアンミツバチの見分け方は?

  • 体色:腹部の節にはっきりした黄金色の帯。良い系統では最初の三節が黄色です。
  • 体毛:明るい黄色みを帯びた毛。
  • 口吻:中程度からやや長め。
  • 女王蜂:一般に体色が明るく大きいため、巣板の上で見つけやすい。

明るい体色のおかげで巣板上の女王蜂を探しやすく、初心者には実用的な利点です。ただし、黄色いからといって純粋なイタリアン種とは限りません。キプロス種、シリア種、アナトリア系の一部の交雑種も黄色い帯をもつことがあります。

オレンジ色の花にとまる黄色い帯のイタリアンミツバチ
ガルダ湖畔(マルチェージネ)で、A. m. ligustica と同定されたイタリアンミツバチ。明るい色の腹部の節は、この品種の最もわかりやすい特徴です。写真:Emil Jantke / Wikimedia Commons · CC BY 4.0

イタリアンミツバチの長所

  • 温和さ:全般におとなしく、内検中も巣板の上で落ち着いています。
  • 高い産卵力:女王蜂が広く途切れのない育児圏をつくり、コロニーは強い群勢に達します。
  • 長いシーズンの活動:蜜源が続く限り蜂児を育て、長い主流蜜期をよく生かします。
  • 良好な採蜜量:長く途切れない蜜源のある地域で高い収量をあげます。
  • プロポリスが少ない:巣枠が離れやすく、内検や採蜜が楽になります。
  • 造巣意欲:巣礎を素早く引き伸ばし、白くきれいな蜜蓋の巣蜜をつくります。

イタリアンミツバチの短所

  • 冬の消費が多い:大きな群勢で冬に入るため、必要な貯蜜量が多くなります。長く厳しい冬では不利です。
  • 秋の産卵停止が遅い:育児を遅くまで続けるため、貯蜜を消費するうえにバロアダニの繁殖サイクルも長引きます。
  • 断続的な蜜源に合わない:蜜源が止まっても育児を続けるので、貯蜜が急速に減ります。
  • 盗蜂の傾向:蜜源が途絶えると、ほかの巣箱を狙う傾向がはっきりしています。
  • 帰巣性の弱さ:巣箱を近くに並べると、隣の巣箱への迷い込みが増えることがあります。これは病気やダニの拡散も招きます。
越冬用の貯蜜:イタリアン種を飼うなら、越冬用の貯蜜は地域の在来種で見積もる量より多めに残し、冬の終わりには必ず巣箱の重さを確認しましょう。
ピンクのバラの中で花蜜を探すイタリアンミツバチ
トスカーナでバラの花の中にいる、A. m. ligustica と同定されたイタリアンミツバチ。写真:Mattia Menchetti / Wikimedia Commons · CC BY 4.0
黄色い花にとまる黄色い帯のミツバチの接写
ピサ地方で撮影されたミツバチ。腹部の節の幅広い黄色い帯は、イタリアン系のミツバチによく見られます。写真:Alin / Wikimedia Commons · CC BY 4.0

イタリアンミツバチはどんな地域に向いているのか?

条件イタリアン種説明
温暖な気候、短い冬適する冬の消費の多さが問題にならない
長く途切れない蜜源非常に適する大きな群勢が蜜源をよく生かす
長く厳しい冬注意十分な貯蜜と強い蜂球が不可欠
短く断続的な蜜源、夏の無蜜期不向き育児を続けて貯蜜が尽きる
養蜂場の密集地域注意盗蜂と迷い込みのリスク

トルコの条件では、イタリアン種が意味をもつのは冬が穏やかで蜜源の長く続く沿岸地域に限られます。中央アナトリアや東アナトリアの高原では、在来のアナトリア系やコーカシアン系のほうが一般に安全な結果をもたらします。コーカシアン種の遺伝子保存地域であるアルトヴィン県とアルダハン県には、他品種のミツバチを持ち込むことが禁止されています。

イタリアンミツバチとカーニオランミツバチの比較

イタリアン種は黄色く群勢が大きく、蜜源が尽きても育児を続けるミツバチです。カーニオラン種は灰色で倹約家、蜜源に合わせて素早く調整しますが、分蜂しやすい傾向があります。シーズンが長く温暖な地域ではイタリアン種が、シーズンが短く寒冷な地域ではカーニオラン種がより好まれます。

シロバナシナガワハギの花で花粉かごをいっぱいにしたイタリアンミツバチ
エストニアでシロバナシナガワハギ(Melilotus albus)から花粉を集めるイタリアンミツバチ。輸入された多くの国で、商業養蜂の基本品種となっています。写真:Ivar Leidus / Wikimedia Commons · CC BY-SA 4.0

イタリアンミツバチの管理のポイント

  1. 越冬用の貯蜜を多めに:秋の貯蜜計算は地域の平均より多めに見積もりましょう。
  2. 蜜源が途絶えたら盗蜂対策を:巣門を狭め、シロップや蜂蜜を外に放置せず、内検は短時間で済ませます。
  3. バロアダニ対策の時期は蜂児の状態で決める:秋に育児の終わりが遅いと処置の時期に影響します。ダニ数を調べましょう。
  4. 迷い込みを減らす:巣箱の向きを変え、間隔をあけ、色分けして並べます。
  5. 夏の無蜜期は給餌の必要性に注意:蜜源が止まっても育児を続けるコロニーは急速に軽くなります。

よくある質問

イタリアンミツバチはおとなしい?

全般的に温和な品種で、巣板の上でも落ち着いています。ただし交雑種や選抜されていない集団はより防衛的になることがあります。

イタリアンミツバチは寒い冬に耐えられる?

耐えられますが、大きな群勢で冬に入るため貯蜜を多く消費します。長く厳しい冬の地域では、十分な貯蜜を残さないと餓死のリスクが高くなります。

黄色いミツバチを見たけど、イタリアン種?

必ずしもそうではありません。キプロス種やシリア種、多くの交雑種も黄色い帯をもっています。品種の判定には体色だけでは不十分です。

イタリアンミツバチはなぜ盗蜂をするの?

強い群勢と、蜜源が尽きても育児を続ける性質のために、無蜜期にはほかのコロニーの蜂蜜を狙うようになります。巣門を狭め、内検を短時間で済ませることでリスクを減らせます。

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