巣箱ヒーター(蜂の巣箱)

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巣箱ヒーターとは、ミツバチの巣箱の内部や底を電気で温める、プレート、パネル、フィルム状の機器です。健康で貯蜜の十分な群は自分で蜂球を温めるため、冬に巣箱を温めることはたいていの場合不要です。それどころか、早すぎる育児、貯蜜の過剰消費、結露、火災のリスクを招き、害になることさえあります。加温が必要だと感じる群の本当の問題は、多くの場合、勢力不足、病気、あるいは越冬準備の誤りです。

巣箱ヒーターとは何か、どんな種類があるのか?

市場でさまざまな名前で売られている巣箱ヒーターは、いくつかのグループに分けられます。

  • 巣箱下ヒータープレート:巣台の下か中に置く、サーモスタット付きの電気プレート。
  • 巣枠間ヒーターパネル:巣枠の大きさで、蜂児圏の横に入れる加熱板。
  • ヒーターフィルムまたはケーブル:ふたの下に敷いたり、箱体の周りに巻いたりする薄型ヒーター。
  • ソーラーパネル式システム:昼間にエネルギーを蓄えてヒーターに供給するセット。冬に最も必要となる夜間には、使えるエネルギーが限られます。
  • バロア温熱処理装置:蜂児圏を短時間40 °Cより少し高く温め、封蓋巣房内のダニを狙うシステム。目的は群を温めることではありません。

ハチミツ用の加熱蜜刀、結晶を溶かす加温庫、蜜ろうを溶かす釜も「ヒーター」と呼ばれますが、これらは巣箱ではなくハチミツやろうに使う機材で、別のテーマです。

冬、蜂はどのように熱を生み出すのか?

冬の蜂はばらばらにはならず、しっかりした越冬蜂球を作ります。蜂球の内側の蜂は飛翔筋を震わせて熱を生み出し、外側の蜂はしっかり身を寄せ合って断熱の殻を作ります。

  • 外殻の蜂は、約8〜10 °Cを下回らないようにしています。それより寒くなると動けなくなります。
  • 蜂児がないときは蜂球の中心温度を低めに保ち、貯蜜を節約します。
  • 冬の終わりに育児が始まると、中心温度は再び約34〜35 °Cに引き上げられ、消費が増えます。

大切なのは、蜂が温めるのは巣箱ではなく蜂球だということです。巣箱の空いている隅は外気に近い冷たさになることがありますが、それは普通のことです。雪に覆われた巣箱は外から見ると心配になりますが、雪はむしろ風に対する断熱になります。

1月に上から見た越冬蜂球
1月に上から見た群。蜂は巣枠の間に蜂球を作って集まっており、熱を巣箱全体ではなく蜂球に使っています。写真:Maja Dumat from Deutschland (Germany) / Wikimedia Commons · CC BY 2.0

巣箱の加温がたいてい不要、あるいは有害なのはなぜか?

  1. 早すぎる、多すぎる育児:温められた群は、季節より早く育児を始めることがあります。蜂児がいると蜂球を高温に保たなければならず、ハチミツと花粉の消費が増え、春になる前に貯蜜が尽きることがあります。
  2. 餓死のリスク:蜂児がいると、蜂球は蜂児を離れて貯蜜のほうへ移動できません。そばのハチミツがなくなると、巣枠1枚隣のハチミツにさえ届かずに死ぬことがあります。
  3. 蜂球の秩序の乱れ:部分的な加温で蜂が散らばり、その後冷え込んだときに小さなグループが寒さの中に取り残されることがあります。
  4. 結露:内部が温められ、壁やふたが冷たいままだと、より多くの水蒸気が結露して滴り落ちます。冬の群にとって、湿気は寒さよりも危険です。
  5. バロア対策の好機を失う:蜂児のない冬の期間は、接触型のバロア処理に最も効果的な時期です。加温によってこの期間が短くなったり、なくなったりすることがあります。
  6. 火災と電気のリスク:養蜂場の湿気、ネズミのかじり、燃えやすい資材は、ケーブル、接続部、サーモスタットの故障を重大な危険に変えます。
  7. 問題を覆い隠す:加温を必要とする群は、たいてい弱い群、病気の群、あるいは分割が遅すぎた群です。ヒーターはその問題を解決せず、見えなくするだけです。
餓死した蜂球と、その近くのハチミツ
長い冬の終わりに餓死した蜂球。冬季損耗の大部分は寒さではなく、蜂球が貯蜜に届かないことや群の弱さによって起こります。写真:Emmanuel Boutet / Wikimedia Commons · CC BY-SA 3.0

巣箱の加温が意味を持ちうる場合

加温がまったく的外れではない場面もいくつかありますが、いずれも根拠が限られているか、専門的な知識を必要とします。

  • 研究・試験用の装置:温度管理が必要な学術研究。
  • バロアの温熱処理:封蓋蜂児内のダニを熱で狙う方法の効果は議論が分かれています。蜂とダニが耐えられる温度の差は小さく、誤った使い方は蜂児を傷めます。単独のバロア対策として頼るべきではありません。
  • 非常に寒い地域の小さな核群:早春に、ごく小さな交尾箱で低出力の加温を試す養蜂家もいますが、一般的な推奨とするほどの根拠はありません。多くの場合、断熱や群の合同で同じ結果が得られます。

育児用保温庫や女王蜂養成用インキュベーターは巣箱ヒーターではありません。これらは管理された閉鎖環境で、王台や蜂児枠だけに使うものです。

ヒーターの代わりに何をすべきか?

問題ヒーターに代わる解決策
群が弱く、蜂球が小さい秋に弱い群を合同し、若い蜂を多く抱えて越冬させる
蜂球に対して巣箱の容積が大きすぎる仕切り板で空間を狭め、空の箱体を取り除く
ふたの結露、濡れた蜂球ふたの下に断熱材、適切な上部換気、巣箱を少し前に傾ける
風と寒さ防風設備、風を避けられる養蜂場の場所、地面から離した巣箱台
貯蜜が足りない秋に適切な時期に給餌し、冬は必要に応じてキャンディやフォンダンを与える
冬に蜂がよく減る夏の終わりに適期のバロア対策を行い、越冬蜂を守る
実践上の原則:強く、バロアが抑えられ、貯蜜が十分で、乾いた状態の群は、寒い冬でもヒーターなしで越冬できます。ヒーターは、この4つの条件の欠如を補うものではありません。
雪に覆われた養蜂場の木製と発泡スチロール製の巣箱
越冬中の養蜂場の木製と発泡スチロール製の巣箱。よい断熱は、ヒーターに頼らずに巣箱内の結露と熱損失を減らします。写真:Dirk Liesch / Wikimedia Commons · CC BY 4.0
発泡スチロール(ポリスチレン)製の巣箱
発泡スチロール製の巣箱は、断熱によって蜂球が使うエネルギーを減らします。ヒーターに代わる、安全で受動的な選択肢です。写真:Maja Dumat from Deutschland (Germany) / Wikimedia Commons · CC BY 2.0

それでもヒーターを使う場合の安全ルール

  • サーモスタットは必須:常時作動するヒーターは使わず、低い上限温度を設定してください。目的は巣箱を「暖かく」保つことではなく、極端な寒さの影響を和らげることです。
  • 低出力:蜂球を散らさない低出力で、広い面に熱を広げるヒーターが望ましいです。
  • 温度の監視:巣箱の中に温度センサーを入れてください。ヒーターが実際に何をしているかを確認せずに使ってはいけません。
  • 電気の安全:屋外用の防水接続、漏電遮断器、齧歯類から保護したケーブル。
  • 火災:ヒーターが燃えやすい資材、枯れ草、ろうの残りに触れないようにします。
  • 短期間の使用と記録:使用の理由、期間、群の状態を記録し、ヒーターを使わない巣箱と結果を比較します。

よくある間違い

  • 巣箱内を20〜25 °Cのような一定の値に保とうとする。蜂に必要なのは巣箱ではなく蜂球の温度です。
  • 弱い群を「救う」ためにヒーターを使い、合同や給餌を先延ばしにする。
  • 換気をふさいで温める。結果は湿ってカビの生えた巣箱です。
  • ソーラー式ヒーターが夜間も十分に熱を出すと思い込む。
  • サーモスタットのない、養蜂以外の用途向けのヒーターを巣箱に入れる。

よくある質問

冬に巣箱を温める必要はある?

通常はありません。強く、貯蜜が十分で、乾いた状態の群は自分で蜂球を温めます。加温は早すぎる育児、過剰な消費、結露の原因になり得ます。

冬の巣箱内の温度は何度であるべき?

巣箱全体についての目標値はありません。蜂球の外殻は約8〜10 °C以上に保たれ、蜂児がいれば中心は34〜35 °C前後に保たれます。空いている隅は外気に近い温度でもかまいません。

巣箱ヒーターでバロアは死ぬ?

通常の巣箱ヒーターでは死にません。専用の温熱処理装置は封蓋蜂児内のダニを狙いますが、効果については議論があり、蜂児を傷めるリスクもあります。

弱い群をヒーターで越冬させられる?

多くの場合、結果は変わりません。秋に弱い群を強い群と合同するか、巣箱の容積を狭めるほうが確実です。

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