花粉トラップ

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花粉トラップは、蜂が巣箱に入るときに通る穴あき板と、蜂が届かない回収引き出しからなる、花粉生産の基本となる用具です。生産用のトラップを選ぶときは、容量、掃除のしやすさ、雨よけ、開閉のしやすさが決め手になります。トラップは強群にだけ、花粉が豊富な時期に、間隔をあけて稼働させます。

花粉トラップはどういう仕組み?

トラップは巣門を完全にふさぎ、蜂は穴あき板を通らなければ巣箱に入れません。穴は働き蜂が体を押し込んで通れる幅(約5 mm)です。蜂が穴に体を通すとき、後脚の花粉かご(コルビキュラ)に付けた花粉団子の一部が穴の縁に引っかかって落ちます。落ちた花粉は細かい金網を通って下の引き出しにたまり、金網が蜂による花粉の回収を防ぎます。

トラップはすべての花粉団子をかき落とすわけではありません。一部は無傷で板を通り抜け、群は花粉を取り込み続けます。かき落とされる割合は、穴の大きさ、板の厚さ、板の枚数、蜂の体の大きさで決まります。効率が高すぎるトラップは、群をすぐにたんぱく質不足にしてしまうことがあります。

花粉トラップの穴あき板を通ろうとする蜂
穴あき板:蜂がこの穴を体を押し込んで通るときに、花粉団子がかき落とされます。 写真:Onésime / Wikimedia Commons · CC BY-SA 3.0
巣門型の花粉トラップと花粉がたまり始めた引き出し
巣門型トラップ:穴あき板の前の引き出しに、かき落とされた花粉がたまっていきます。 写真:Onésime / Wikimedia Commons · CC BY-SA 3.0

花粉トラップにはどんな種類がある?

タイプ取り付け位置長所短所
巣門(前面)型トラップ巣門の前に取り付ける安価で着脱が簡単、巣箱を開けずに確認できる引き出しが小さい。雨やほこりが入ることがある
底板型トラップ底板の代わりに巣箱の下へ回収面が広く、引き出しを後ろから引ける、雨を避けられる巣箱を持ち上げないと取り付けられない。地面の湿気に近い
上部型トラップ段の間または最上部に、別の巣門を付けて花粉がほこりや土から離れる蜂の出入りの習慣が変わる。設置に手間がかかる

商業生産ではおもに底板型か、大きな引き出しの前面型トラップが選ばれます。趣味の規模なら巣門型で十分です。巣箱の箱体と組み合わせた取り付けの詳細は「花粉トラップ(巣箱)」のページで説明しています。

巣箱の下に取り付けた底板型花粉トラップの引き出した引き出し
底板型トラップ:巣箱の下にあり、後ろから引き出す大きな引き出し。引き出しの底は通気性のある金網か穴あきの素材であるべきです。 写真:APHA (National Bee Unit), Crown Copyright · Open Government Licence v3.0 (Crown Copyright)

生産用の花粉トラップを選ぶときのポイントは?

  • 穴の大きさと板:穴は整っていて、ばりがなく、均一であるべきです。ばりや鋭い縁は蜂の翅や脚を傷めます。地域の蜂の体の大きさに合った寸法を選びます。
  • 開閉の仕組み:板を持ち上げたりスライドさせたりできるトラップなら、外さずに無効にできます。間隔をあけて稼働させる最も実用的な方法です。
  • 雄蜂の出口:雄蜂は穴を通れません。トラップには外へ出ることだけができる雄蜂用の出口が必要です。そうしないと雄蜂が巣門にたまって死に、穴をふさいでしまいます。
  • 引き出し:通気性のある底(細かい金網や穴あき)の、平らで引き出しやすい引き出しは、花粉の蒸れやカビを減らします。
  • 雨よけ:濡れた花粉は数時間で傷みます。引き出しの上は覆われ、傾斜が付いているべきです。
  • 材質:板と引き出しは食品用のプラスチックかステンレスであるべきです。塗装した面、防腐処理した面、さびる面が花粉に触れてはいけません。
  • 巣箱との適合:トラップは巣箱の寸法にぴったり合い、蜂がトラップを迂回できる隙間が残らないようにします。
複数の巣箱の段に取り付けた前面型花粉トラップ
同じモデルの前面型トラップを備えた巣箱。トラップを統一すると部品交換や作業の流れが楽になります。 写真:Honorabl / Wikimedia Commons · CC BY-SA 4.0

花粉トラップはいつ、どのくらい稼働させる?

トラップは花粉が豊富な時期にだけ稼働させます。多くの地域では春の後半と、花粉源が最も多い数週間です。早春と夏の終わりの花粉は群自身にとって重要なので、この時期にはトラップを付けません。

  1. 慣らし:数日間は板を開けた(無効にした)状態でトラップを付けたままにし、蜂を新しい入口に慣れさせます。
  2. 稼働開始:板を所定の位置にはめます。最初の数日は巣門が混雑することがありますが、すぐに落ち着きます。
  3. 間隔をあけた稼働:数日稼働して数日止める、あるいは週の決まった日に稼働させるのが一般的です。
  4. 確認:内検のたびに蜂児圏と花粉の帯を見ます。蜂児圏が狭まっている、あるいは巣板に花粉が見えないなら、すぐにトラップを止めます。
  5. ローテーション:巣箱の多い養蜂場では、トラップ一式を群の間で順番に使うことができます。こうすれば1つの群に負担が続きません。

トラップを付けない群:弱群や分割したばかりの群、女王蜂を更新した群、病気の症状がある群、女王蜂生産やローヤルゼリー生産に使っている群。

毎日の回収と作業の流れはどうつくる?

生産のボトルネックはトラップではなく、採取後の処理能力です。生の花粉は水分が多く、暑い日にはカビや酵母が数時間で発生することがあります。

  • 回収の巡回:引き出しは毎日、できれば午後か夕方に空にします。暑く湿った日は1日2回です。
  • 運搬:花粉は清潔なふた付きの食品容器に入れ、日差しを避けて運びます。遠い養蜂場ではクーラーボックスを使います。
  • 能力のバランス:稼働させるトラップの数は、同じ日に乾燥または冷凍できる花粉の量を超えないようにします。
  • 処理:花粉はその日のうちに冷凍するか、約40 °Cを超えない温度で乾燥させ、その後で掃除します。
花粉でいっぱいになったトラップの引き出し
いっぱいになった引き出し:空にするのが遅れると、下の層の花粉が蒸れてカビが生えます。 写真:Onésime / Wikimedia Commons · CC BY-SA 3.0
回収トレイの新しい花粉団子
回収トレイの生花粉は、その日のうちに乾燥機か冷凍庫へ送って処理します。 写真:APHA (National Bee Unit), Crown Copyright · Open Government Licence v3.0 (Crown Copyright)

花粉トラップの手入れと掃除

  • シーズン中:引き出しは空にするたびにブラシで掃除し、死んだ蜂、蝋くず、カビた花粉団子を残さないようにします。
  • シーズン後:板と引き出しをぬるま湯とブラシで洗い、完全に乾かして、乾燥したネズミの入らない場所に保管します。
  • 修理:壊れた穴、破れた金網、曲がった板は交換します。傷んだ板では蜂が楽に通り抜けたり、けがをしたりします。
  • 病気:病気が出た群のトラップは、他の巣箱に付ける前に掃除します。届出義務のある病気では公的な指示に従います。
バロアなどの薬剤処置を行う場合は、処置の前にトラップを無効にし、その期間は花粉を集めません。処置期間中の花粉は、販売用や給餌用の在庫に混ぜないでください。

よくある失敗

  • トラップを何週間も稼働させたままにする:蜂児の生産が落ち、その後の採蜜量が減ります。
  • 雄蜂の出口がないトラップを使う:巣門が詰まり、雄蜂が死にます。
  • 処理能力を考えずに多くのトラップを付ける:集めた花粉が傷みます。
  • 雨よけのないトラップ:一度のにわか雨で引き出し全体が使えなくなります。

よくある質問

花粉トラップの穴の大きさはどのくらい?

働き蜂が体を押し込んで通れる幅、約5 mmです。穴が広いと花粉があまりかき落とされず、狭いと蜂に無理をさせて消耗させます。

1つの巣箱から1日にどのくらい花粉が採れる?

群の勢い、植生、天候、トラップのモデルによって大きく異なり、同じ巣箱でも日によって大きな差があります。計画は自分の養蜂場の記録にもとづいて立てましょう。

巣門型と底板型、どちらのトラップがいい?

巣箱が少なければ巣門型が実用的です。商業生産では、大きな引き出しを持ち雨を避けられる底板型トラップが作業を減らします。

トラップは蜂を傷つける?

穴が整ったトラップを正しく使えば害はありません。ばりのある板、雄蜂の出口がないこと、連続稼働は群を傷めます。

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