蜂群農薬中毒予防製品

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ミツバチの農薬中毒を防ぐ製品とは、蜂を農薬から守る薬や「解毒剤」のことではありません。中毒のリスクを減らす用具、水や餌による支援、巣箱を一時的に閉じたり移動したりするための資材、そして中毒を記録するための採取用具を指します。ミツバチの中毒に知られた治療薬はありません。最も効果的な防御は、よい設置場所の選択、農家との連絡、散布日程の把握、そして疑いがあるときの速やかな届出です。

中毒に効く「薬」はある?

ありません。蜂は農薬(ペスティサイド)に、花、水、流れてくる散布の霧、あるいは巣箱に運び込まれる残留農薬を含む花粉を通じて接します。最も危険なのは殺虫剤(インセクティサイド)のグループです。殺菌剤の中にも、殺虫剤と一緒に使われると毒性を強めるものがあります。毒がいったん体内に入ると、それを中和できる巣箱用の承認製品はありません。市場で「デトックス」「肝臓サポート」「毒出し」などとうたって売られている飼料添加物が蜂を農薬から守るという信頼できる証拠はありません。

そのため、このページでいう「製品」は2つのグループに分かれます。ばく露を防ぐ用具や方法と、被害が出た後に群を支え、証拠を集めるための資材です。症状と鑑別診断については「農薬・殺虫剤中毒」のページをご覧ください。

中毒が疑われるときは、死んだ蜂をすぐに埋めたり捨てたりしないでください。まず写真を撮り、新しい死骸から試料を取って冷凍し、家畜保健衛生所に届け出ましょう。記録と残留分析は、補償を受ける可能性がある場合に必要です。

養蜂場の場所:最も安上がりな防御

中毒の多くは、開花期や花の咲いた雑草があるときに行われる殺虫剤散布によって起こります。養蜂場を設けるときは次の点に気をつけましょう。

  • 頻繁に農薬が散布される果樹園や畑作物のすぐそばに、特に散布シーズン中は巣箱を置かないようにします。
  • 巣箱は、風で流れる農薬が直接届かず、前面が生け垣や植え込みで守られた場所に置きます。
  • 移動養蜂では、設置場所の周辺の作付けと散布の日程を前もって調べておきます。
  • 養蜂場を公的な登録制度や地元の役場に届け出ておきましょう。散布の通知は、登録していなければ受け取れません。
花の咲いた畑のすぐ横に並んだ巣箱
花の咲いた農作物のそばの巣箱:送粉には価値がありますが、開花期に殺虫剤が散布されると最も危険な位置になります。 写真:APHA (National Bee Unit), Crown Copyright · Open Government Licence v3.0 (Crown Copyright)
花盛りの果樹園でパレットに載せた巣箱
送粉のために果樹園に運び込まれた巣箱。開花期間中は散布しないよう、園主と事前に取り決めておく必要があります。 写真:Frank Schulenburg / Wikimedia Commons · CC BY-SA 4.0

散布前に使える防護資材

周辺で散布が行われると事前にわかったときの選択肢は次のとおりです。

巣箱を移動する

最も安全なのは、散布の間、巣箱を数キロメートル離れた場所に移すことです。そのためには巣箱の固定ベルト、通気できる移動用のふた(上面が網のカバー)、巣門を閉じる器具が必要です。移動は、蜂がすべて巣箱に戻った夕方に行います。

移動の前に巣箱をベルトで固定する2人の養蜂家
移動の前に巣箱をベルトでしっかり固定します。箱体がずれないようにすることは、蜂と養蜂家の両方を守ります。 写真:APHA (National Bee Unit), Crown Copyright · Open Government Licence v3.0 (Crown Copyright)

巣箱を一時的に閉じる

移動ができず散布が短時間で終わる場合、状況によっては蜂が中にいる間、巣門を短時間閉じることもできます。ただしこれは危険を伴う方法です。

  • 巣門は板でふさぐのではなく、蜂を通さない金網付きの閉鎖具で閉じ、上からも換気できるようにします。
  • 巣箱を日陰にしてください。暑い日に風通しのないまま閉じた群は、短時間で窒息することがあります。巣箱の上を濡れた麻袋で覆って涼しく保つ養蜂家もいます。
  • 閉じる時間はできるだけ短くします。強く大きな群ほどリスクが高くなります。
  • 残効の長い農薬(何日も効くもの)では、短時間閉じても防御にはなりません。その場合、移動だけが安全な選択肢です。

きれいな水場

養蜂場の近くに、いつも水が満ちたきれいな水飲み場を設けると、蜂が農薬を混ぜた容器、畑の水たまり、葉の上のしずくに向かうのを減らせます。水飲み場には浮かぶ木片、小石、コケを入れて、蜂がおぼれないようにしましょう。

濡れた面から水を飲むミツバチ
近くにきれいな水がないと、蜂は畑の水たまりや農薬の容器に向かうことがあります。養蜂場のきれいな水飲み場は、安価で効果的な防御です。 写真:Bartosz Kosiorek Gang65 / Wikimedia Commons · CC BY-SA 3.0

中毒後の支援と記録のための資材

中毒が起きた後の作業に備えて、養蜂場や車に小さな「緊急キット」を置いておくと便利です。

資材用途
清潔な紙袋とガラス瓶新しい死骸、花粉、巣板の試料を別々に入れる
ラベルと油性ペン日付、時刻、場所、巣箱番号、採取者を書く
保冷バッグまたは冷凍庫試料を劣化させずに保つ。残留分析用の試料はすぐに冷凍する
使い捨て手袋手に付いた物質で試料が汚染されるのを防ぐ
日付入りの写真と位置情報巣箱の前の大量死と散布された場所を記録する
シロップと給餌器外勤蜂を失った群を、流蜜がないときに支える

残留分析には通常、数百匹の新しい死骸が必要です。検査機関が求める量と送付条件を前もって確認してください。巣板の中の新しい花粉や花蜜の試料も、別々の容器に保管しましょう。

巣板から蜂蜜の試料を清潔な瓶に取る様子
残留分析用に巣板から試料を取るところ:清潔な容器、使い捨て手袋、試料ごとに別のラベル。 写真:APHA (National Bee Unit), Crown Copyright · Open Government Licence v3.0 (Crown Copyright)
網底にたまった多数の死んだ蜂
底に大量の死骸がたまるのは、中毒でも、餓死や病気でも見られます。原因は記録と検査機関での分析によってしか区別できません。 写真:APHA (National Bee Unit), Crown Copyright · Open Government Licence v3.0 (Crown Copyright)

養蜂家自身が使う化学物質にも注意

中毒の一部は養蜂場の内側から起こります。自分で使う製品について、次の点に気をつけましょう。

  • 巣箱の周りに殺虫剤、ハエ用スプレー、アリ用の粉剤を使わないこと。
  • 巣箱の塗料や木材保護剤は、蜂に無害で巣箱に適した製品を選びます。内側は塗らず、塗料が完全に乾いてから巣箱を使います。
  • バロア駆除剤は承認された製品だけを、ラベルの量で使います。過剰投与も中毒です。
  • 巣板の保管庫でナフタリンなどの防虫剤を使わないこと。

農家との連絡:最も効果的な防御

どんな資材も、散布が行われないこと、あるいは適切な時間に行われることの代わりにはなりません。そのため、本当の防御はコミュニケーションです。

  • 周辺の生産者と知り合いになり、散布前に知らせてもらえるよう電話番号と巣箱の場所を伝えておきましょう。
  • 開花期には、ラベルにミツバチへの注意表示がある殺虫剤を使わないよう頼みましょう。
  • 散布は蜂が飛ばない夕方に、風のない日に行うこと、散布前に樹の下や畑の縁の花の咲いた草を刈っておくことをお願いしましょう。
  • 農薬の容器、混合液の残り、洗浄水を放置しないよう念を押しましょう。蜂はこうした水にも向かいます。
  • 養蜂組合を通じて、地域の散布通知の仕組みに参加しましょう。

よくある質問

中毒した蜂には何を与えればいい?

中毒の治療薬はありません。群にきれいな水と、必要ならシロップを与え、弱った群は合同し、再びばく露しないようにしましょう。「解毒剤」として売られている製品は信用しないでください。

散布の間、巣門を閉じれば十分?

短時間で換気を確保した閉鎖は、状況によってはリスクを減らします。しかし暑い日には群が窒息することがあり、残効の長い農薬には効果がありません。できれば巣箱を遠ざけましょう。

死んだ蜂の試料はどう保管する?

新しい死骸だけを清潔な紙袋かガラス瓶に入れ、ラベルを貼ってすぐに冷凍します。検査機関が求める量を事前に確認しましょう。

中毒はどこに届け出ればいい?

家畜保健衛生所に届け出て、記録を作成してもらうよう依頼し、地元の役場にも知らせましょう。

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