巣箱用秤

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巣箱用はかり(ハイブスケール)は、巣箱全体の重さを量ることで、群が花蜜を集めているか、貯蜜をどれだけ消費しているか、分蜂などの急な出来事がないかを、巣箱を開けずに知るための計測器です。機械式の台はかりから、データを遠隔送信する電子式まで種類があります。養蜂場に適切に置いたはかりが1台あるだけでも、給餌、継箱、採蜜の判断がぐっと楽になります。

巣箱用はかりは何の役に立つ?

植物が花を咲かせていても、花蜜が出ているとは限りません。干ばつ、冷え込む夜、風で蜜の分泌は止まり、花は見えても巣箱に蜜は入りません。この違いは目で見分けにくいものです。重さが増えていなければ蜜源はないのです。これが巣箱用はかりの最大の価値です。

はかりはさらに次の問いにも答えてくれます。

  • 流蜜は始まったか、終わったか? 継箱や採蜜の計画のために。
  • 群は貯蜜を食べているか? 流蜜の合間の端境期に給餌や盗蜂対策をするために。
  • 越冬用の貯蜜は足りているか? 巣箱を開けずに餓死のリスクを見るために。
  • 思わぬ出来事が起きなかったか? 分蜂、盗蜂、転倒など。
蜜蓋がかかったばかりの蜜で満ちた継箱
流蜜が豊富なときは継箱がすぐに満たされます。はかりではこの時期が毎日の安定した重量増加として現れます。 写真:APHA (National Bee Unit), Crown Copyright · Open Government Licence v3.0 (Crown Copyright)

巣箱用はかりにはどんな種類がある?

種類仕組み長所短所
機械式台はかり(台秤)巣箱を常に乗せたままにし、針や目盛りを読む電気不要、丈夫養蜂場に行かないと読めない
手ばかり/吊りばかり巣箱またはその一辺を持ち上げて量る最も安価、多くの巣箱に使えるおおよその値、手間がかかる
電子式台はかり(ロードセル)ロードセルが重さを連続測定・記録する1時間ごとのデータ、日周変化が見える電池、保守、温度ドリフト
遠隔通信型電子はかり携帯回線や無線ネットワークでデータをスマホへ送る遠くの養蜂場を監視でき、アラームも設定可能電波エリア、契約料、費用
片側(ハーフ)はかり巣箱の一辺だけを支え、全体を推定する安価で持ち運びやすい重心が変わると誤差が大きくなる
吊りばかりで巣箱を量る様子
吊りばかりによる計量:巣箱をクレーンのアームに吊るして総重量を読んでいます。手間はかかりますが、1回で正確な値が得られます。 写真:U.S. Department of Agriculture / Wikimedia Commons · CC BY 2.0
電子式巣箱用はかりに乗った巣箱
左の巣箱は電子はかりの上にあります。柱の小さな箱は測定値を遠隔送信するモデムです。 写真:20130713_bonn25.JPG: Jean Housen derivative work: Jocian / Wikimedia Commons · CC BY-SA 3.0

巣箱用はかりのグラフはどう読む?

電子はかりの1時間ごとのデータには、1日の中でもはっきりした日周変化が現れます。このパターンを知っておくと誤報を防げます。

  • 朝の減少:外勤蜂が巣箱を出ると重さが少し減ります。蜜源がなくても起こります。
  • 昼から夕方にかけての増加:花蜜や花粉が運び込まれると重さが増えます。夕方に戻る外勤蜂の分も加わります。
  • 夜間のわずかな減少:蜂が花蜜の水分を飛ばすため、巣箱は水分を失います。これは蜂蜜が熟成していることを示す通常の減少です。
  • 1日の正味の変化:判断に使うべき本当の値は、ある真夜中から次の真夜中までの差です。

異常のサイン

  • 昼ごろの急で大きな減少:分蜂したのかもしれません。1〜数キログラムの減少が典型的です。その日のうちに確認しましょう。
  • 蜜源がないのに急に減り、巣門で争いがある:盗蜂の疑いがあります。巣門を狭めましょう。
  • 階段状の増加や減少:たいていは自分で行った継箱、取り外し、給餌です。記録しておかないと誤って解釈してしまいます。
  • 冬に消費がはっきり速まる:晩冬に育児が始まると消費は増えます。これは正常です。しかし初冬に速まる場合は、邪魔をされたか問題を抱えた群を疑います。

はかりはどんな判断に役立つ?

  1. 継箱:数日続けて正味の増加が見られ、巣箱が満杯に近ければ継箱をします。
  2. 採蜜の時期:増加が止まったら流蜜は終わりです。数日後に熟成した蜜を採れます(水分は糖度計で確認してください)。
  3. 給餌:流蜜の合間に重さが減り続けている場合、特に蜂児が多いときは、補助の餌が必要です。
  4. 越冬用の貯蜜:秋に巣箱の空の重さと貯蜜込みの重さを把握しておけば、冬に残っている貯蜜量を巣箱を開けずに計算できます。
  5. 移動養蜂での移動:ある地域で重量増加が止まったら、次の設置場所へ移るタイミングです。
雪に覆われた多段の巣箱
冬に巣箱を開けると群を傷めることがあります。はかりを使えば、雪の下の巣箱の貯蜜消費を外から見守れます。 写真:MarkBuckawicki / Wikimedia Commons · CC0

巣箱用はかりの設置方法

  1. しっかりした平らな地面:コンクリート板や締め固めた地面を使います。柔らかい土は重みで沈み、測定を狂わせます。
  2. 巣箱全体がはかりに乗っていること:巣箱が巣箱台、壁、隣の巣箱に寄りかかっていてはいけません。
  3. ゼロ合わせ(風袋引き):何も乗せない状態でゼロにし、できれば既知の重りで確認します。
  4. 雨と日差しから守る:電子部品は水に弱く、直射日光は温度ドリフトの原因になります。
  5. すべての作業を記録する:継箱、取り外し、給餌、巣枠の入れ替えを日付とおおよその重さとともに書き留めます。
ヒント:はかりのグラフを読み違える最も多い原因は、養蜂家が自分の作業を記録していないことです。継箱をすれば重さは増えますが、それは蜜源によるものではありません。

はかりは何台必要?どの群に置く?

1つの養蜂場には、多くの場合はかり1台で十分です。同じ地域の群は同じ蜜源を利用するので、はかりが養蜂場の「気圧計」になります。はかりを置く群は中程度の勢いで典型的な群にしましょう。最強群は楽観的な、最弱群は悲観的な結果を示してしまいます。

標高や植生の異なる養蜂場には、別のはかりを検討してもよいでしょう。研究や系統比較を行う場合は、各グループに少なくとも1台必要です。

巣箱用はかりを選ぶときのポイントは?

  • 容量:継箱で満たされた多段の巣箱は100 kgを超えることがあります。容量は最も重い状態を十分に上回るものにしましょう。
  • 精度:日々の変化を見るには50〜100グラムの分解能で十分です。本当に重要なのは長期的にずれないことです。
  • 温度安定性:安価なロードセルは昼夜の温度差でずれることがあります。メーカーの温度補正の有無を確認しましょう。
  • 耐久性:防水・防塵の本体、ステンレスまたは亜鉛めっきのフレーム。
  • 電源とデータ:電池寿命、ソーラーパネルの選択肢、データのエクスポート、養蜂場で電波が届くかどうか。
  • 巣箱タイプとの適合:台は使っている巣箱の底全体を支えられる必要があります。

はかりなしで量る:手ばかり法

はかりを買わなくても、おおよその重さを知ることはできます。手ばかり(荷物用はかり)のフックを巣箱の後ろの縁の下に掛け、数センチ持ち上げて値を読みます。次に前の縁でも同じことをします。2つの値の合計が巣箱の重さに近い値になります。

さらに簡単な方法は、巣箱を後ろから少し持ち上げて「軽いか重いか」を手で感じることです。正確ではありませんが、冬の餓死チェックには役立ちます。同じ人が同じやり方で行えば比較ができます。

餓死した蜂球
長い冬の終わりに餓死した蜂球。定期的な計量や持ち上げチェックで、この損失は多くの場合防げます。 写真:Emmanuel Boutet / Wikimedia Commons · CC BY-SA 3.0

よくある失敗

  • はかりを最強群に置き、その結果を養蜂場全体に当てはめること。
  • 日周変化の朝と夜の減少を問題だと思うこと。
  • 継箱、給餌、巣枠の入れ替えを記録しないこと。
  • 柔らかい地面、傾いた設置、巣箱が巣箱台に寄りかかっていること。
  • はかりが内検の代わりになると考えること:女王蜂、蜂児の状態、病気は実際に見なければわかりません。

よくある質問

巣箱用はかりで分蜂を事前に察知できる?

いいえ。分蜂が起きた後に、急な重量減少として示されるだけです。分蜂の準備を知るには王台を確認する必要があります。

冬の巣箱はどのくらいの重さが必要?

地域、巣箱のタイプ、冬の長さによって異なります。秋に空の巣箱の重さと貯蜜込みの重さを記録しておけば、自分の巣箱に合った残りの貯蜜量を正しく計算できます。

はかり1台で養蜂場全体をカバーできる?

多くの場合はできます。同じ場所の群は似た蜜源を利用するからです。はかりを置く群を中程度の勢いにすると、結果がより代表的になります。

夜に重さが減るのは正常?

正常です。蜂は夜に花蜜の水分を飛ばし、巣箱は少し水分を失います。判断には真夜中から真夜中までの正味の変化を見てください。

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