コロニー管理

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蜂群管理とは、養蜂家がミツバチの蜂群の状態を一年を通して読み取り、季節に応じて巣の拡張、給餌、分割、分蜂防止、病気の点検、越冬の判断を適切な時期に行うことです。よい管理の秘訣は手を多く加えることではなく、正しい時期に正しい手を加えることにあります。このページでは、この章で扱う季節ごとの管理、分割、分蜂、蜂群強化に共通する考え方をまとめます。

蜂群管理とは何か、なぜ重要なのか

ミツバチの蜂群は一匹一匹の蜂の単なる集まりではなく、全体として行動する超個体です。女王蜂、働き蜂、雄蜂がともに働き、蜂群は季節に応じて優先することを変えます。成長し、増殖し、貯蔵し、冬を越すのです。

養蜂家の仕事はこのリズムに逆らうことではなく、それを読み取り、自分の目標(蜂蜜、増群、女王蜂、花粉)に合わせて導くことです。同じ蜂場で同じ品種の蜂を飼う二人の養蜂家の収量に大きな差が出るとき、その大部分はこの導き方のタイミングの違いから生まれます。

蜂群の一年のサイクル

蜂群の一年は、互いにつながった一連の段階で成り立っています。段階ごとに養蜂家の優先事項は異なります。

時期蜂群では何が起きるか養蜂家の優先事項
冬の終わり〜早春育児が再開し、貯蜜の消費が急速に増える貯蜜の確認、女王蜂の有無の確認、必要なら給餌
春蜂数が急速に増える適時の巣の拡張、巣板の更新
晩春〜初夏繁殖衝動:雄蜂の生産と分蜂の準備分蜂の点検、分割、女王蜂の養成
夏主流蜜期、貯蜜継箱の追加、採蜜、水と日陰
夏の終わり長寿命の越冬蜂が育つバロアの計数と対処、女王蜂の更新
秋蜂群が縮小し、冬に備える越冬用の給餌、合同、巣の縮小
冬越冬蜂球、生き残り巣箱を開けずに外から観察
蜂群の 年間サイクル 春 成長 晩春 繁殖・分蜂 夏 貯蜜 夏の終わり 越冬蜂が育つ 冬 生き残り 一年の分かれ目は夏の終わり。この時期のダニの量が越冬を左右します。
養蜂家の仕事はこのリズムに逆らうことではなく、それを読み取って導くことです。

時期は地域によって何週間もずれます。たとえばトルコの黒海沿岸の蜂場と中央アナトリア高原の蜂場とでは、暦がまったく同じにはなりません。そのため暦よりも蜂群自身が出すサインに注目します。花粉の搬入、蜂児圏の広さ、王台、巣箱の重さです。

内検では何を見ればよいのか

内検のたびに、ひとつの問いへの答えを探すべきです。目的もなく巣箱を開けても、熱と時間を失い、蜂を落ち着かなくさせるだけです。標準的な内検では、次の問いを順に確かめます。

内検で育児箱から巣枠を引き上げているところ
内検では、ハイブツールで巣枠をゆるめてから一枚ずつゆっくり引き上げます。蜂をつぶしたり女王蜂を落としたりしないよう、巣枠は巣箱の上で持ちます。 写真:rickpilot_2000 / Wikimedia Commons · CC BY 2.0
  1. 女王蜂はいるか? 女王蜂の姿を見る必要はありません。巣房の底に一つずつまっすぐ立った卵と、そろった若い幼虫があれば、この3日以内に産卵した女王蜂がいることがわかります。
  2. 蜂児の並びはどうか? 健康な女王蜂の有蓋蜂児は隙間なくまとまっています。穴だらけで散らばった蜂児は、女王蜂の問題や病気を示していることがあります。
  3. 貯えは十分か? 蜂児圏のまわりに蜂蜜と蜂パン(ビーブレッド、貯えられた花粉)があるはずです。
  4. スペースは足りているか、広すぎないか? 女王蜂が産卵できる空き巣房が残っているか。それとも蜂群が温めきれないほど広いスペースにいないか。
  5. 分蜂の準備をしていないか? 巣枠の下縁や側面に王台(女王蜂の育つ巣房)がないか探します。
  6. 病気や害虫の兆候はないか? へこんだり穴のあいた蓋、悪臭、石灰化した幼虫、翅の変形した蜂、バロアダニ。
健康な蜂児枠に並ぶ有蓋蜂児、花粉、蜂蜜
理想的な蜂児枠:中央にぎっしりと有蓋蜂児、そのまわりに無蓋の幼虫、その外側に色とりどりの花粉の帯、隅には蜂蜜。この配置は、女王蜂がよく産卵し、蜂群がバランスよく栄養をとっていることを示します。 写真:APHA (National Bee Unit), Crown Copyright · Open Government Licence v3.0 (Crown Copyright)
巣房の底の卵と若い幼虫
巣房の底にまっすぐ立つ細い卵と、餌の中に浮かぶ若い幼虫。女王蜂がここ数日のうちにこの場所で産卵したということです。 写真:APHA (National Bee Unit), Crown Copyright · Open Government Licence v3.0 (Crown Copyright)
働き蜂の巣房に盛り上がった蓋の雄蜂児
働き蜂の巣房に盛り上がった(ドーム状の)蓋と不規則な蜂児が見られるのは、交尾に失敗した女王蜂や老いた女王蜂、あるいは産卵働き蜂の典型的なサインです。 写真:APHA (National Bee Unit), Crown Copyright · Open Government Licence v3.0 (Crown Copyright)

蜂群の強さはどう評価するのか

養蜂家は蜂群の強さを、ふつう蜂の付いた巣枠の枚数で表します。巣箱を上から見て、巣枠のあいだのいくつが蜂で埋まっているかを数えるのです。この簡単な目安が、給餌、巣の拡張、分割、合同を判断する基礎になります。

育児箱の上桟が蜂で覆われた強い蜂群
蓋を開けると、巣枠のあいだがすべて蜂で埋まっています。この蜂群は強く、まもなく追加のスペース(継箱や新しい巣枠)が必要になるでしょう。 写真:APHA (National Bee Unit), Crown Copyright · Open Government Licence v3.0 (Crown Copyright)
  • 強群: 育児箱全体が蜂で埋まり、蜂児枠が多い。スペースを与えなければ分蜂に向かいます。
  • 中程度の群: 蜂が数枚の巣枠を覆い、成長中。強さに合わせてスペースを広げます。
  • 弱群: 蜂も蜂児も少ない。まず弱っている原因を探します。女王蜂、病気、飢え、あるいはバロアです。そのうえで強化するか合同するかを決めます。

判断のタイミング:なぜ遅れると高くつくのか

養蜂での失敗の多くは、間違った作業からではなく、遅れた作業から生じます。

  • 継箱の追加が遅れてスペースが不足すると、分蜂が起こります。
  • 遅れたバロア対策では、そのとき育ちつつある越冬蜂を救えません。
  • 遅く与えた越冬用の糖液は蜂が熟成しきれず、水分が多いまま残って発酵することがあります。
  • 気づくのが遅れた無王状態は、産卵働き蜂の出現と蜂群の崩壊につながります。

このため管理は暦よりも先読みに基づいて行います。働き蜂は卵から約21日で羽化し、平均して3週間ほど巣内の仕事をしたあとで外勤蜂になります。つまり主流蜜期に働く蜂は、その流蜜期のおよそ6週間前に卵として産まれていなければなりません。春の管理の考え方は、すべてこの計算に基づいています。

黄金律: 夏の終わりのバロアの量が冬を、冬の終わりの貯蜜が春を、そして春に与えるスペースが分蜂と収穫を決めます。どの季節の問題も、その前の季節に解決されるのです。

蜂場の配置と巣箱での作業

よい管理は蜂場の配置から始まります。巣箱は地面から持ち上げた台の上に、わずかに前へ傾け、風の当たらない場所に並べます。巣箱をあまりに密に、同じ色で並べると、蜂が別の巣箱に入ってしまう迷い込みが起こり、病気が広がる原因になります。色や向きを変えるとこの問題は減ります。

二段の育児箱をもつ巣箱が並ぶ蜂場
台の上に並べた多段式の巣箱。巣箱のあいだに作業しやすい間隔をとると、内検が速くなり、蜂の迷い込みも減ります。 写真:APHA (National Bee Unit), Crown Copyright · Open Government Licence v3.0 (Crown Copyright)
  • 落ち着いて作業する: 急な動きや振動は蜂を防衛態勢にさせます。煙は少量の冷たい煙で十分です。
  • 手短にする: 寒い日の内検は数分以内にとどめます。むき出しになった蜂児は冷えてしまいます。
  • 衛生: 病気が疑われる巣箱から健康な巣箱へ巣枠や道具を移さないこと。手袋とハイブツールは清潔にします。
  • 盗蜂に注意: 蜜源の乏しい時期には、巣板や蜂蜜を外に放置しないでください。

記録をつけることはなぜそれほど大切なのか

20群の蜂群を一シーズン通して頭の中だけで管理することはできません。内検のたびに数行のメモを残しておけば、女王蜂の年齢、蜂児の状態、貯蜜、追加した継箱、行ったバロア対策とその日付が、一年後には最も価値のある管理ツールになります。

  • 巣箱番号と女王蜂の羽化年(マーキングの色とともに)
  • 内検日、蜂の付いた巣枠の枚数、蜂児枠の枚数
  • バロアの計数結果と行った対処
  • 地域の主要蜜源の開花と終わりの日付
  • 蜂群の性質:おとなしさ、分蜂性、生産性

こうした記録は女王蜂の選抜にも役立ちます。おとなしく、生産性が高く、分蜂性の低い蜂群から増やしていけば、蜂場の遺伝的な質は年々よくなります。

よくある管理の失敗

  • 必要以上に巣を開ける: 特に早春には、開けるたびに蜂児が冷え、蜂群の成長が後退します。
  • 採蜜が終われば仕事も終わりだと思う: 夏の終わりこそ、養蜂の一年で最も重要な時期です。
  • 弱群のまま越冬させる: 弱いまま冬に入った蜂群は多くの場合失われます。合同するほうが賢明です。
  • 症状を消して原因を残す: 王台を取り除いても、分蜂の原因(スペース不足、老いた女王蜂)はなくなりません。
  • バロアを数えずに薬剤処理する: 計数すれば、不要な処理も手遅れも防げます。

この章で扱う内容

蜂群管理の章の下位ページでは、各テーマを詳しく取り上げます。春の管理、夏の管理、秋の管理、冬の管理では季節ごとの作業を、分蜂の管理、蜂群の分割、蜂群の強化では蜂群の数と強さにかかわる判断を解説します。

よくある質問

巣箱はどのくらいの頻度で開ければよいですか?

活動期、特に分蜂期にはおよそ7日に一度の点検がすすめられます。早春と秋はもっと間隔をあけ、冬はまったく開けません。外からの観察と重さの測定で十分です。

女王蜂が見つからなければ無王群ですか?

いいえ。巣房に一つずつまっすぐ立った卵が見えれば、この3日以内に産卵した女王蜂がいます。卵も若い幼虫もなければ、無王を疑ってください。

蜂群管理の初心者は何を優先すべきですか?

三つです。適時にスペースを与えること、夏の終わりにバロアを計数して必要なら対処すること、そして十分な貯蜜で冬を迎えることです。この三つで損失の大部分を防げます。

何群から始めるのがよいですか?

1群ではなく、少なくとも2群から始めることがすすめられます。一方が無王になったり弱ったりしたとき、もう一方から蜂児枠を移して支えることができます。

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