養蜂場の安全

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蜂場の安全対策とは、巣箱を盗難、動物、自然災害から守ることと、蜂場で働く養蜂家やまわりの人々の安全を守ることを合わせた考え方です。対策の多くは安価で簡単です。適切な場所、丈夫な台、記録、囲い、ネズミよけ、燻煙器の扱いの徹底、そしてアレルギーへの備えです。損失の大部分は、こうした簡単な対策を怠ることから生じます。

巣箱の盗難を防ぐには

巣箱の盗難は多くの地域で深刻な問題であり、たいていは養蜂を知っている人によって、特に流蜜期や転飼の時期に行われます。一つの対策だけでは足りず、いくつかを組み合わせることで抑止力になります。

  • 人目につきにくくする: 道路から見える蜂場はより狙われます。人目につかず、しかも車で行ける場所を選びましょう。
  • 消えない目印を付ける: 巣箱の本体、蓋、巣枠の上桟に焼き印や刻印で目印と番号を付け、その番号を記録帳と養蜂登録システムの登録内容に記しておきます。
  • 位置追跡装置: いくつかの巣箱に隠した追跡装置は、抑止になると同時に、盗まれた巣箱が見つかる可能性を高めます。
  • 固定する: 巣箱どうしや台をチェーンやベルトでつなぐと、すばやく運び去るのが難しくなります。
  • 地域とよい関係を築く: 近くの農家、羊飼い、村人は最良の見張り役です。見慣れない車を見かけたら知らせてくれます。
  • 不規則に訪れる: 毎週同じ曜日の同じ時間に訪れる蜂場は、無人になる時間を泥棒に教えているようなものです。
  • 写真と記録を残す: 盗難に遭ったとき警察に伝えるため、巣箱の数、型、色、目印を用意しておきます。

トルコでは、国の支援を受けた農業保険(TARSIM)で蜂場と巣箱に保険をかけることができます。どのリスク(盗難、火災、洪水、動物による被害など)が補償されるかは保険契約の条件によって異なります。加入する前に補償範囲を詳しく読みましょう。

動物から蜂場を守る

  • クマ: クマのいる地域(トルコでは特に黒海地方や東アナトリアの森林地帯)では、巣箱を倒して巣板を食べます。最も効果的な対策は、常に手入れされた電気柵です。高い台や檻だけでは足りません。
  • 放牧中の家畜: 牛、馬、羊は巣箱に体をこすりつけて倒すことがあり、蜂を怒らせもします。蜂場は囲う必要があります。
  • アナグマとイノシシ: 巣箱を倒そうとしたり、底板を掘り返そうとしたりします。丈夫な台、ベルトでの固定、囲いが守ってくれます。
  • げっ歯類: 秋に蜂球ができたら、巣門にネズミよけを取り付けます。冬に気づかれないネズミは、蜂群の巣板をかじってしまいます。
  • 鳥: ハチクイなど一部の鳥は巣箱の前を飛ぶ蜂を捕らえます。ふつう蜂群を全滅させることはありませんが、交尾飛行中の女王蜂も捕らえることがあるため、女王蜂を生産する蜂場では考慮されます。キツツキは地域によって、冬に木製の巣箱に穴をあけて中へ入り込みます。
  • スズメバチ: 夏の終わりに弱群を襲います。強い蜂群と狭めた巣門が最良の守りです。
巣門のまわりにアナグマが残したひっかき跡
アナグマが巣箱の前面と巣門のまわりに残した、ひっかき跡と掘り跡。 写真:APHA (National Bee Unit), Crown Copyright · Open Government Licence v3.0 (Crown Copyright)
巣門に取り付けた穴あき金属のネズミよけ
巣門の幅いっぱいに取り付けた穴あき金属のネズミよけ。蜂は穴を通れますが、ネズミは入れません。 写真:APHA (National Bee Unit), Crown Copyright · Open Government Licence v3.0 (Crown Copyright)
キツツキが巣箱の本体にあけた穴
冬のあいだにキツツキが巣箱の本体をうがってあけた穴。中から巣板が見えています。 写真:APHA (National Bee Unit), Crown Copyright · Open Government Licence v3.0 (Crown Copyright)
冬に金網で守られた巣箱
キツツキの被害がある地域では、冬に巣箱のまわりを金網で囲います。 写真:APHA (National Bee Unit), Crown Copyright · Open Government Licence v3.0 (Crown Copyright)

自然のリスクへの対策

  • 洪水: 川床、枯れ川、窪地は避けます。一晩の豪雨で蜂場全体が流されることがあります。
  • 嵐: 巣箱をベルトで固定し、蓋の上に重しを載せ、倒れるおそれのある老木の下に巣箱を置かないでください。
  • 火災: 乾いた草の多い場所では蜂場のまわりの草を刈り、燻煙器を乾いた草の上に置かないでください。
  • 猛暑: 昼の日陰、明るい色の蓋、十分な換気を確保します。
  • 雪と氷: 巣門が雪でふさがっていないか確かめ、大雪で倒れた巣箱はすぐに起こします。

燻煙器の安全:養蜂で最も火災を起こしやすい道具

蜂場から起こる火災の多くは、燻煙器が原因です。乾いて風の強い日に地面に置いた燻煙器や、熱いまま車に放り込んだ燻煙器が、広い範囲を焼いてしまうことがあります。

  1. 燻煙器は、開けた場所の燃えない地面の上で火を付けます。
  2. 作業中は、燻煙器を乾いた草の上ではなく、巣箱の蓋や石の上に置きます。
  3. 使い終わったら、口をふさぐか、金属のふた付きの箱に入れて火を消します。
  4. 熱い燻煙器を車に入れないでください。金属の箱に入れても、完全に冷えたことを確かめます。
  5. 燃料には、乾いた無害な天然素材(枯れ草、松葉、朽ちた木、無塗装の段ボール)を使います。プラスチック、油の付いたもの、塗装されたものは燃やしません。
  6. 火災の危険が高い日には水を持っていきます。火気禁止の期間には地元の規則に従います。
煙を出している養蜂用の燻煙器
火を付けて煙を出しはじめた燻煙器。冷たく白い煙が望ましく、炎の出る燻煙器は蜂にもまわりにも害を与えます。 写真:Skander zarrad / Wikimedia Commons · CC BY-SA 4.0
すすの付いた養蜂用の燻煙器
すすの付いた、よく使われている燻煙器。使用後に口をふさがず、ふたのある箱にも入れずに置いた燻煙器は、長いあいだくすぶり続けることがあります。 写真:Gzen92 / Wikimedia Commons · CC BY-SA 4.0

養蜂家の安全

  • 防護服: 隙間のない面布(ベール)、明るい色のつなぎかジャケット、手首とすそを覆う手袋と長靴。荒い蜂群のそばで面布が開いたままになっているのが、最もよくある失敗です。
  • アレルギー: 蜂に刺されたあと、全身のかゆみやじんましん、顔やのどの腫れ、息苦しさ、めまいが現れたら、それは重いアレルギー反応です。すぐに救急車を呼んでください(トルコでは112)。以前に重い反応を起こしたことのある人は、養蜂を続ける前に医師に相談し、医師のすすめる緊急用の薬を身につけておきましょう。
  • 一人での作業: 遠くの蜂場で一人で作業するときは、居場所と帰る時間を誰かに知らせておきます。
  • 電話: 充電しておき、電波の届く状態にしておきます。蜂場の位置も登録しておきましょう。
  • 暑さと水分: 夏につなぎを着て作業すると、すぐに水分が失われます。水をたっぷり飲み、最も暑い時間帯は避けます。
  • 持ち上げ: 満杯の継箱は重いものです。ひざを曲げて持ち上げるか、手伝ってもらうか、小さめの継箱を使いましょう。
蜂場へ行くときは、車に救急箱、水、予備の面布と手袋を積んでおきましょう。アレルギーの既往がある人は、決して蜂場で一人で作業してはいけません。

近隣の人や通行人の安全

蜂場のまわりの人々の安全は、養蜂家の責任です。

  • 垣根や植え込みで飛行経路を高くし、巣門を道路や住宅に向けないようにします。
  • 攻撃的な蜂群の女王蜂を替えます。
  • 隣人が庭にいる時間帯や、風が強く肌寒い日に内検をしないようにします。
  • 蜂場の入口に注意書きを掲げ、囲いは閉めておきます。
  • 隣人に知らせておき、蜂アレルギーの人がいないか確かめます。

よくある質問

巣箱が盗まれました。どうすればよいですか?

すぐに警察に届け出て、巣箱の数、型、色、目印、写真を伝えてください。保険に入っていれば保険会社に連絡し、周辺の養蜂家にも注意を呼びかけましょう。

クマに対して最も効果的な対策は何ですか?

正しく設置し、定期的に手入れしている電気柵です。柵の下の草はきれいに刈り、バッテリーやソーラーパネルを点検しておく必要があります。

蜂に刺されたとき、どんな場合に緊急なのですか?

刺された場所から離れた全身にじんましんが出たり、顔やのどが腫れたり、息苦しさや気が遠くなる感じがあったりする場合です。そのときは一刻も早く救急車を呼んでください(トルコでは112)。

ネズミよけはいつ取り付けますか?

秋、夜が冷え込みはじめ、巣箱の前にネズミの跡が見られるようになる前に取り付けます。春に花粉の搬入が増えたら外します。

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