養蜂場所の選定

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蜂場の選定とは、巣箱を置く場所を、蜜源、日当たり、風、湿気、水、アクセス、近隣との関係、法的な規則の観点から評価することです。蜂群は管理でき、女王蜂は替えられ、道具は新しくできますが、場所はたいてい何年も変わりません。そのため、養蜂家が下す判断のうち最も長く影響し、収量を最も大きく左右するのが蜂場の場所なのです。

蜂場を選ぶときの最初の問い:周囲で何が咲いているか

ミツバチは必要なら数キロメートル飛ぶことができますが、遠くの蜜源は効率が悪いのです。一回ごとに使うエネルギーが増え、一日の往復回数が減ります。そのため本当の問いは「蜂はどこまで飛ぶか」ではなく、巣箱の近くにシーズンを通して何があるかです。

候補地を見に行ったら、次の点を確かめましょう。

  • 途切れない開花: 春から秋まで次々と咲く植物があるか、それとも一度きりの集中した時期しかないか。
  • 早春の花粉: ヤナギ、アーモンド、スモモ、セイヨウサンシュユなどの早咲きの植物が、蜂群の春の発育を始動させます。
  • 夏の終わりと秋の蜜源: 越冬蜂が育つ時期に花粉と花蜜があれば、蜂群は強い状態で冬を迎えられます。
  • 景観の多様さ: 単一作物の農業(たとえば広大なヒマワリ畑やナタネ畑)は短く集中した流蜜をもたらします。畑の縁の帯、低木林、牧草地、森の縁がある入り組んだ景観のほうがバランスがとれています。

短く集中した単一の蜜源は、長くバランスのとれた開花よりも価値が低いことが少なくありません。流蜜が終わると蜂群は飢え、盗蜂が始まるからです。

ナタネの花で花蜜を集めるミツバチ
ナタネ(キャノーラ)の花にとまるミツバチ。ナタネは春に豊富な花蜜と花粉をもたらしますが、農薬散布には注意が必要です。 写真:Ivar Leidus / Wikimedia Commons · CC BY-SA 4.0
晩春の蜜源となるニセアカシアの花
ニセアカシアの開花。アカシアの多い谷では、晩春に短いながらも力強い流蜜があります。 写真:4028mdk09 / Wikimedia Commons · CC BY-SA 3.0

トルコの地域別の蜜源

トルコは気候が多様なため、蜂場の場所は地域ごとに異なる基準で評価する必要があります。沿岸部や平野では柑橘、綿、ヒマワリ、内陸部や東部では高原の花、トラガカントなどのゲンゲ属の低木、タイム、黒海地方ではクリ、シナノキ、森林の植物が主な蜜源です。エーゲ海と地中海地方のブルティアマツの森は、松の甘露蜜のもとになる甘露を生み出します。ある場所の価値は、その場所だけでなく、転飼養蜂で次にたどり着ける流蜜も含めて考えることで決まります。

トロス山脈のブルティアマツ
トロス山脈のブルティアマツ(Pinus brutia)。この松に付くカイガラムシの仲間が出す甘露が、トルコの松の甘露蜜の源です。 写真:Rene MT from Hennigsdorf, Germany / Wikimedia Commons · CC BY 2.0

日当たり、日陰、風

  • 朝日: 巣箱を早く温め、蜂を早く飛び立たせ、一日の作業時間を延ばします。
  • 昼の日陰: 暑い地域では巣箱を冷やす負担を減らします。夏に一日中日なたにある巣箱では、蜂はエネルギーを採餌ではなく冷却に使ってしまいます。
  • 風よけ: 絶え間ない風は飛行を妨げ、冬には熱の損失を増やします。背後を垣根、塀、斜面、または密な木立で守られた場所が好まれます。

寒い地域では南向きで風の当たらない斜面、暑い地域では落葉樹の下がよい結果をもたらします。落葉樹は夏には日陰を、冬には日差しを与えてくれます。

石垣の前の段々に並べた巣箱
石垣の前に段々にして置いた巣箱。石垣は卓越風をさえぎり、太陽の熱を蓄えます。 写真:Alexkom000 / Wikimedia Commons · CC BY 4.0
木々の下に散らして置いた巣箱
まばらな木々の下に散らして置いた巣箱。木は夏に昼の日陰をつくります。ただし、暗く湿った森の中は適しません。 写真:MOs810 / Wikimedia Commons · CC BY 4.0

地面と湿気:窪地は避ける

乾いた地面は欠かせません。いつも湿っていて日陰で空気のよどんだ場所は、巣箱の中のカビ、チョーク病などの真菌性の病気、木材の腐朽を招きます。

  • 川床や洪水の通り道: 突然の出水が、一晩で蜂場全体を押し流すことがあります。
  • 窪地: 冷たい空気や霧は窪地にたまります。冬にはこうした場所が周囲より数度低くなることがあります。
  • わずかに傾斜して水はけのよい地面が理想です。さらに巣箱は台や架台で地面から持ち上げます。

水源

蜂群は巣の冷却、幼虫の餌づくり、結晶した蜂蜜を溶かすために、定期的に水を必要とします。近くにきれいな小川、湖畔、湧き水があれば大きな利点です。なければ養蜂家が浅く安全な給水場を設けるべきです。自前の水場がない蜂は、隣家の池、家畜の水飲み場、しずくの落ちる蛇口へ向かいます。これは苦情の最も多い原因の一つです。汚れた水、肥料や農薬の混じった水は避ける必要があります。

アクセスと作業のしやすさ

満杯の継箱は重く、一度の採蜜で何十箱も運びます。車で巣箱のそばまで近づけない蜂場は、採蜜や給餌のときに大きな負担になります。道は冬や雨の季節にも通れなければなりません。真冬に倒れた巣箱や緊急の給餌にたどり着けなければ、蜂群を失います。蜂場までの距離も重要です。遠すぎる蜂場は足が遠のき、問題に気づくのが遅れます。

畑の縁に運ばれた受粉用の巣箱
受粉のために畑の縁へ運ばれた巣箱。農地では、車道への近さと、予定されている農薬散布の日程をあわせて巣箱の場所を検討します。 写真:APHA (National Bee Unit), Crown Copyright · Open Government Licence v3.0 (Crown Copyright)

近隣、防犯、農薬

  • 飛行経路: 巣門を歩道、道路、校庭、隣家の庭に向けてはいけません。
  • 動物: 牛舎や囲いからは離します。放牧中の家畜が巣箱を倒すことがあり、蜂が家畜を悩ませることもあります。
  • 人目: 道路から見える蜂場は盗難やいたずらのリスクが高まります。人目につかず、しかも車で行ける場所が好まれます。
  • 農薬散布: 周囲で集約的な農業が行われているなら、どの作物にいつ散布するかを調べ、農家と連絡をとりましょう。開花中の作物への散布は、蜂の大量死の主な原因です。
  • ほかの蜂場: すぐ隣に大きな蜂場があると、蜜源を分け合うことになり、病気の伝播も増えます。

何群置くかと法的な規則

一か所に置ける蜂群の数は、その周辺の蜜源によって限られます。過密は蜂群を弱らせ、盗蜂を増やし、野生の蜂との競合を激しくします。蜜源の限られた地域では、蜂群の数を抑えるか巣箱をいくつかの蜂場に分けることで、収量と環境の両方を守れます。

トルコでは、蜂場と道路、住宅地、学校・モスク・医療機関などの公共施設との距離が養蜂規則で定められており、距離を確保できない場合は高い垣根などの対策が求められることがあります。蜂場は養蜂登録システムに登録されます。場所を決める前に、最新の規則を家畜保健衛生所などの関係当局で確認してください。

蜂場の評価表

基準よい場所避けるべき場所
蜜源シーズンを通した多様な開花単一作物の農業、長い蜜源の空白
日当たり朝日、暑いときは昼の日陰一日中濃い日陰、または一日中直射日光
風背後を垣根、塀、斜面で守られている吹きさらしの尾根、風の通り道
地面乾燥していて、わずかに傾斜川床、窪地、湿地
水近くにきれいな水か給水場水のない場所、または隣家の水しかない場所
アクセス一年中車で行ける冬に閉ざされる道、徒歩の小道
周辺環境道路や住宅から離れ、人目につかない道端、学校、農薬を多用する畑

よくある質問

巣箱は日なたに置くべきですか、日陰に置くべきですか?

理想は、朝日が当たり、暑い地域では昼の時間帯に日陰になる場所です。一日中濃い日陰だと湿気が増え、一日中日なただと夏に蜂群が疲れてしまいます。

蜂場を川のそばにつくってもよいですか?

水に近いのはよいことですが、川床の中や冠水しうる平地はいけません。数メートル高い、乾いて水はけのよい場所を選んでください。

ある場所がよいかどうかはどうすればわかりますか?

一年を通して、周囲で何がいつ咲くかを観察しましょう。できればまず数群で試してみてください。地元の養蜂家の経験もとても貴重です。

蜂場は道路からどのくらい離すべきですか?

距離の規則は、道路の種類や住宅地に応じて規則で定められています。最新の距離は家畜保健衛生所などの関係当局で確認してください。

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