春季管理

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春の管理とは、冬を越した蜂群を貯え、女王蜂、健康、スペースの面から点検し、主流蜜期に向けて強い状態に整える作業です。この時期は、何をするかと同じくらい、何をしないかが大切です。早春に最も多い害は、必要以上の早すぎる手出しから生じます。

春の管理はいつ始まるのか

春の管理の始まりは、暦ではなく天候と植物によって決まります。冬の終わりに最初の花粉源(ヤナギ、ハシバミ、アーモンド、早咲きの果樹など)が咲くと、蜂群は育児のペースを上げます。ただし巣箱全体の内検をするには、日陰でおよそ14〜15 °C以上あり、風がなく晴れた日を待ちます。

それより前に巣箱を開けると蜂児が冷えてしまいます。寒いうちにできることは、すべて外から行います。

巣箱を開けずに行う最初の点検:外から何がわかるか

  • 花粉を運んでいるか? 脚に色とりどりの花粉を付けた外勤蜂がいれば、巣箱にはおそらく蜂児がいて、女王蜂が産卵していることがわかります。
  • 飛行の多さ: 同じ時刻に隣の巣箱と比べると、蜂群の強さの見当がつきます。
  • 巣箱の重さ: 後ろから軽く持ち上げると、貯えの状態がわかります。軽い巣箱には優先して給餌します。
  • 巣箱の前の死んだ蜂と排泄物の汚れ: 越冬の出来具合がわかります。排泄物の汚れが多すぎるのは下痢のサインです。
脚に黄色い花粉を付けて巣箱に戻る外勤蜂
脚に黄色い花粉だんごを付けて巣箱に戻る外勤蜂。春の花粉の搬入は、巣箱で蜂児が育てられていることを示す最も確かな外からのサインです。 写真:APHA (National Bee Unit), Crown Copyright · Open Government Licence v3.0 (Crown Copyright)

最初の内検では何を見るのか

最初の本格的な点検は、暖かい昼どきに手短に行います。目的はすべての巣枠を調べることではなく、次の問いへの答えを得ることです。

  1. 女王蜂はいるか? 女王蜂の姿を見る必要はありません。卵と、そろった若い幼虫があれば十分です。
  2. 蜂児の並びはどうか? 隙間なくそろった蜂児はよい女王蜂を示します。働き蜂の巣房に盛り上がった雄蜂児があれば、老いた女王蜂や交尾していない女王蜂、あるいは産卵働き蜂がいることを示します。
  3. 貯えは十分か? 蜂児圏のそばに蜂蜜と花粉(蜂パン)があるはずです。花粉がなければ蜂群は蜂児を育てられません。
  4. 蜂は何枚の巣枠を覆っているか? 以前の記録や隣の巣箱と強さを比べます。
  5. 病気の兆候はないか? へこんだり穴のあいた蓋、悪臭、石灰化した幼虫、翅の変形した蜂。
巣房の底にある働き蜂の卵
巣房の底にある、米粒に似た細く白い卵。どの巣房にも一つずつまっすぐ立った卵があれば、この3日以内に産卵した健康な女王蜂がいるしるしです。 写真:Waugsberg / Wikimedia Commons · CC BY-SA 3.0
蜂児と花粉でいっぱいの健康な春の巣枠
中央に蜂児、そのまわりに豊富な花粉がある巣枠。春の発育には、花粉は蜂蜜と同じくらい重要です。 写真:APHA (National Bee Unit), Crown Copyright · Open Government Licence v3.0 (Crown Copyright)

最大のリスク:春の飢え

冬の損失のかなりの部分は、厳冬期ではなく冬の終わりから早春に起こります。理由は簡単です。育児が始まって貯えの消費が急に増えたのに、蜜源はまだ十分に咲いていないのです。蜂児を温めて育てるには、越冬蜂球を保つよりもはるかに多くの蜂蜜が必要です。

この時期には、数日間の寒の戻りだけで、貯えの減った蜂群が全滅することがあります。巣箱の重さを量るか、手で持ち上げて重さを感じるのが最も簡単な確認方法です。

  • 貯えが少なければ: まだ寒いうちは蜂球の上に砂糖のケーキを置きます。暖かくなってからは薄い糖液(ふつう砂糖1に対して水1)を与えられます。
  • 花粉が少なければ: 自然に花粉がないときは、花粉入りのケーキや代用花粉が育児を支えます。
  • 蜜源が咲いたら: 主流蜜期が始まったら糖液の給餌はやめます。そうしないと糖液が蜂蜜に混ざるおそれがあります。
内蓋の上から与える花粉入りの砂糖ケーキ
春に内蓋の穴の上に置いた花粉入りの砂糖ケーキ。蜂は内蓋の穴からケーキに触れます。この方法なら、巣箱を長く開けずに給餌できます。 写真:APHA (National Bee Unit), Crown Copyright · Open Government Licence v3.0 (Crown Copyright)

春にやりすぎてしまう失敗

  • 早すぎる拡張: 蜂群が温めきれないほど広いスペースに広がると、端の蜂児が冷えます。冷えた蜂児は死んで黒ずみ、そうした環境はチョーク病も招きやすくなります。
  • 頻繁に開ける: 開けるたびに熱が失われ、蜂群は数時間分後退します。
  • 蜂児圏を分断する: 蜂児枠のあいだに空の巣枠を入れると、寒い夜に蜂群が蜂児の一部を見捨ててしまうことがあります。
  • 掃除のしすぎ: 底板にたまった冬の残骸は、最初の暖かい日にでも掃除できます。寒いときに巣箱を長く開けてまでする価値はありません。
冷えて黒ずんだ幼虫
寒さの中でむき出しにされたり、蜂群が温めきれない端に取り残されたりした蜂児は死んで黒ずみます(冷害蜂児)。早すぎる拡張と長い内検の典型的な結果です。 写真:APHA (National Bee Unit), Crown Copyright · Open Government Licence v3.0 (Crown Copyright)

春の管理の手順

  1. 貯えの確認と、必要なら給餌。
  2. 女王蜂の確認: 無王群や女王蜂に問題のある蜂群には早めに対処します。女王蜂を導入するか、蜂群を合同します。
  3. 弱群を強化するか合同します。病気の疑いがあれば、まず診断を。
  4. 死んだ蜂群の原因調べ: 死因(飢え、バロア、病気)を記録します。疑わしい巣板はほかの巣箱で使わないでください。
  5. 強さに合わせてスペースを調整する: 仕切り板で狭めた蜂群には、蜂が増えるにつれて巣枠を加えます。
  6. 巣板の更新: 黒く古い巣板や変形した巣板は端へ移し、蜂児が羽化したら取り出します。毎年、育児箱の巣板の一部を更新するのはよい衛生習慣です。
  7. バロアの量を計る: 春にダニが多ければ、真夏には深刻な問題になります。
  8. 分蜂期に備える: 蜂群が強くなるにつれて点検の間隔をおよそ7日に縮め、継箱と分割用の資材を用意しておきます。
内検後、継箱を載せる準備ができた二段の巣箱
強くなった二段育児箱の蜂群が、内検のあと継箱を載せる準備ができています。晩春には、スペース不足が分蜂の最大の引き金になります。 写真:APHA (National Bee Unit), Crown Copyright · Open Government Licence v3.0 (Crown Copyright)

春の健康と巣板の点検

春は病気に最初に気づける時期です。蜂児圏が広がるにつれて蜂児病の症状が見えるようになるため、最初の内検では蜂児の表面を注意深く見ます。

  • チョーク病: 巣箱の前や底板に、白っぽい灰色の石のように硬くなった幼虫の残骸が見られます。湿って寒い弱群で増えやすく、スペースを狭めて女王蜂を更新すれば、たいていは十分です。
  • ノゼマの疑い: 巣箱の中と前に排泄物の汚れが多く、蜂群が育たない。確定診断は顕微鏡でしかできません。
  • 腐蛆病の疑い: へこんだり穴のあいた蓋、悪臭、変色した幼虫が見られたら、その巣箱から巣枠や道具を持ち出さず、家畜保健衛生所に届け出てください。
  • 巣板の状態: 黒ずんだ巣板、カビの生えた巣板、ネズミにかじられた巣板は蜂児圏の外へ移し、代わりにきれいな巣板か巣礎を入れます。巣礎は、蜂が新しい巣板をつくりはじめたとき(流蜜と暖かい天候のとき)に与えます。

主流蜜期への準備:逆算

働き蜂は卵から約21日で羽化し、平均して3週間ほど巣の中で育児、造巣、門番の仕事をしたあとで外勤蜂になります。つまり主流蜜期に働く蜂は、その流蜜のおよそ6週間前に卵として産まれていなければなりません。

卵 → 羽化 巣内の仕事 外勤蜂:蜜源で働く 卵 約3週間 約6週間 流蜜期 逆算して計画する:約6週間 蜜源が咲いてから動く養蜂家は、もう手遅れです。 その蜂たちは約6週間前に卵として産まれていなければなりませんでした。
春の管理の考え方は、すべてこの一つの計算にもとづいています。

この計算が春の管理の考え方のすべてを説明しています。主要な蜜源が咲く6〜7週間前には、蜂群の貯え、花粉、スペースが、女王蜂の旺盛な産卵を可能にしていなければなりません。蜜源が咲いてから動く養蜂家は、もう手遅れなのです。

自分の地域で主要な蜜源(例:アカシア、タイム、ヒマワリ、綿、高原の花)がいつ咲くかを毎年記録しておきましょう。数年たてば、この記録が春の管理で最も価値のある道具になります。

ヒント: 同じ蜂場の蜂群どうしを、春に比べて評価しましょう。ほかより明らかに遅れている蜂群は、たいてい女王蜂か健康に問題を抱えています。この差に早く気づくことが、シーズンを救います。

よくある質問

春の最初の内検はいつ行うべきですか?

日陰でおよそ14〜15 °Cを超え、風がなく晴れた日の昼どきです。それより寒いときは、外からの点検と、必要ならケーキを与えるだけにします。

春には糖液とケーキのどちらを与えるべきですか?

寒い日が続くあいだはケーキ、暖かくなって蜂が定期的に飛びはじめたら薄い糖液が適しています。主要な蜜源が咲いたら給餌はやめます。

女王蜂が見つかりませんでした。無王群でしょうか?

卵と若い幼虫が見えれば女王蜂はいます。卵がなく有蓋蜂児も減っているなら無王を疑い、1週間後にもう一度確かめてください。

巣箱はいつ広げればよいですか?

蜂が今ある巣枠をすべて覆い、夜の冷え込みが和らいだときです。早すぎる拡張は蜂児の冷えを招きます。

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