巣箱と巣箱部品

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巣箱と巣箱の部品とは、巣箱台、底板、育児箱、巣枠、隔王板、継箱、内蓋、外蓋など、ミツバチのコロニーがすみ、養蜂家が作業する仕組みをつくっている構成部品のことです。どの部品にも決まった役割があり、すべてがビースペースと呼ばれる一つの寸法に基づいて設計されています。部品を知っておくと、巣箱を正しく組み立て、季節に合わせて調整し、問題を解決しやすくなります。

巣箱の基本寸法:ビースペース

可動巣枠式巣箱を可能にしているのは、たった一つの寸法です。ミツバチは約6~9 mmのすき間を通路として空けておきます。

  • それより広いすき間には無駄巣がつくられます。
  • それより狭いすき間はプロポリスでふさがれます。

そのため巣箱の寸法は恣意的なものではありません。巣枠と壁、上桟と内蓋、上下の段の桟の間など、あらゆるすき間がこの範囲に保たれています。異なるメーカーの部品を混ぜて使うときに最も崩れやすいのがこの寸法です。

6 mm未満 プロポリスでふさぐ 6~9 mm 空けておく ハチの通路 9 mm超 無駄巣で埋まる
可動巣枠式巣箱のすべてが、この一つの寸法に基づいています。

巣箱の部品には何があるのか?(下から上へ)

巣箱のタイプにかかわらず、縦型巣箱の部品は下から上へ次の順に積み重なります。下の写真の巣箱には、部品の名前(ドイツ語)がそれぞれに書かれています。

各段に名前が書かれた多段式の木製巣箱
部品にラベルが付いた巣箱:外蓋、貯蜜用の継箱、二段の育児箱、底板。巣箱のタイプが変わっても、部品の役割は同じです。写真:Hans-Hagen Theimer / Wikimedia Commons · CC BY-SA 4.0

巣箱台

巣箱を地面から持ち上げ、湿気、腐朽、カエルやアリなどの害敵を遠ざけ、養蜂家の腰の負担を軽くします。台は頑丈で水平でなければならず、巣箱はわずかに前に傾けて、雨水や結露水が巣門から外へ流れ出るようにします。

地面に打ち込んだ金属の脚の上の木製巣箱台
金属の脚の上に組んだ木製の巣箱台。頑丈で水平な台は、蜜の詰まった継箱の重さを支えなければなりません。写真:Maja Dumat from Deutschland (Germany) / Wikimedia Commons · CC BY 2.0

底板

巣箱の底で、多くの場合巣門の役割も兼ねます。閉鎖型の底板は保温性がありますが、湿気やごみがたまります。網底(バロア対策底板)は通気がよく、落ちたダニやごみは網の下の引き出し(トレイ)に落ちます。トレイでのダニ数の調査や落下物(蝋くず、花粉、死んだ蜂児)は、コロニーの状態について貴重な情報を与えてくれます。

バロアダニ計数トレイに落ちたダニ
網底の下の計数トレイに落ちたバロアダニ。一定期間に落ちるダニの数から、寄生の程度をおおまかに把握できます。写真:APHA (National Bee Unit), Crown Copyright · Open Government Licence v3.0 (Crown Copyright)

巣門まわりの器具

  • 巣門調節器:弱いコロニー、無蜜期、冬に入口を狭め、盗蜂や寒さから守ります。
  • ネズミよけ:穴のあいた金属の帯で、ハチは通しますが、冬にネズミが巣箱に入るのを防ぎます。
  • 着地板:ハチが着地する張り出し部分。
  • 花粉トラップ:必要に応じて巣門に取り付け、花粉を集めます。
切り欠きのある木製の巣門調節器
切り欠きのある木製の巣門調節器。向きを変えることで広い入口と狭い入口を選べます。写真:Artic (Wikimedia Commons uploader) / Wikimedia Commons · CC BY-SA 3.0
穴のあいた金属製のネズミよけ
穴のあいた金属製のネズミよけ。穴はハチを通し、齧歯類を巣箱から遠ざけます。写真:Wikimedia Commons / Wikimedia Commons · CC BY-SA 3.0

育児箱

女王蜂が産卵し、蜂児が育ち、越冬用の貯蜜が蓄えられる段です。コロニーの中心であり、採蜜はしません。巣箱のタイプによって一段または二段になります。

巣枠、ワイヤー、巣礎

巣枠は上桟、二本の側桟、下桟からなります。肩付き(自動間隔)の側桟は、巣枠を横に押し寄せるだけで正しい間隔が自然に保たれます。巣枠に張った横向きのワイヤーは巣礎を支え、遠心分離機で巣板が壊れるのを防ぎます。巣礎は、ハチにまっすぐで働き蜂房サイズの巣板をつくらせます。

横向きのワイヤーを張った空の木製巣枠
巣礎を取り付ける準備ができた、横向きのワイヤーを張った木製の巣枠。ワイヤーはぴんと張ること。緩んだワイヤーは巣礎の波打ちの原因になります。写真:Waugsberg / Wikimedia Commons · CC BY-SA 3.0

仕切り板

巣箱の幅を狭める、巣枠サイズの一枚板です。弱いコロニーの空間を小さくし、冬の熱損失を減らします。給餌器としても使えるタイプもあります。

隔王板

働き蜂は通しても女王蜂は通さない、ワイヤー製またはプラスチック製の格子です。育児箱と継箱の間に置き、継箱に蜂児ができるのを防ぎます。弱いコロニーや、ハチがまだ巣板をつくっていない継箱では作業を遅らせることがあり、どんな条件でも必要というわけではありません。

育児箱の上に置いたワイヤー製の隔王板
育児箱と継箱の間に置いたワイヤー製の隔王板。つぶれたり広がったりしたワイヤーは、女王蜂を通してしまいます。写真:Onésime / Wikimedia Commons · CC BY-SA 3.0

継箱(貯蜜箱)

採蜜する蜂蜜を蓄える段です。育児箱と分けておくことで、コロニーをあまり乱さずに採蜜できます。流蜜期には必要なだけ継箱を追加します。高さにより、フルサイズまたはハーフサイズがあります。

内蓋と蜂逃がし

内蓋は上桟の上に載せる平らな板で、巣内の環境をやわらげ、外蓋がプロポリスで固着するのを防ぎます。中央の穴は、給餌器を置いたり蜂逃がし(ビーエスケープ)を取り付けたりするのに使います。蜂逃がしはハチが継箱から下へ降りるのは許しても、戻るのは防ぐ器具で、採蜜の1~2日前に取り付けます。

中央に給餌穴のある木製の内蓋
中央に給餌穴のある木製の内蓋。穴は上置き式給餌器や蜂逃がしに使います。写真:Maja Dumat from Deutschland (Germany) / Wikimedia Commons · CC BY 2.0
分解したプラスチック製の蜂逃がし
分解したプラスチック製の蜂逃がし。ばね付きの狭い通路が、ハチを一方向にだけ通します。写真:Artic (Wikimedia Commons uploader) / Wikimedia Commons · CC BY-SA 3.0

外蓋

巣箱を雨、日差し、風から守ります。縁が下に垂れたテレスコープ式外蓋は水をよく外へ逃がし、平らな移動用の外蓋は巣箱を隙間なく並べたり運んだりするのに向いています。上面をトタン板で覆った外蓋は長持ちします。風の強い場所では上に重しを載せるかベルトで固定します。冬に雨漏りする外蓋は、寒さよりも致命的です。

巣箱の部品のまとめ

部品役割注意点
巣箱台地面から持ち上げる水平、頑丈、わずかに前傾
底板底、巣門、バロアダニの監視トレイを定期的に掃除する
巣門調節器/ネズミよけ盗蜂、寒さ、齧歯類への対策季節に合わせて調整する
育児箱蜂児と越冬用の貯蜜採蜜しない
巣枠と巣礎巣板を支えるワイヤーはぴんと、巣礎はまっすぐ
仕切り板空間を狭めるぴったり収まること
隔王板継箱を蜂児から守るワイヤーが整っていること
継箱採蜜用の蜂蜜流蜜に合わせて追加する
内蓋内側の蓋、給餌穴ビースペースを保つ
外蓋雨と日差しからの保護水漏れしないこと

巣箱の素材:木か、発泡素材か?

  • 木:呼吸し、修理でき、削ってから炎で表面を消毒できます。手入れが必要で、重いのが難点です。
  • 発泡素材(ポリスチレン、ポリウレタン):軽く、断熱性に優れます。傷や衝撃に弱く、炎は使えないため、消毒は洗浄と適切な消毒剤で行います。

病気が疑われる養蜂場で炎による処理ができることは、木の大きな利点です。ただし、腐蛆病のような届出義務のある病気では、巣箱や巣枠の扱いは家畜保健衛生所が決定します。

巣箱の設置と手入れ

  1. 地面から持ち上げる:湿気と腐朽が減ります。
  2. わずかに前へ傾ける:結露水や雨水が巣門から外へ流れ出ます。
  3. 固定する:嵐や動物に備えて、巣箱と外蓋をしっかり固定しましょう。
  4. 巣門を調整する:季節とコロニーの強さに応じて狭めたり広げたりします。
  5. 外側を塗装する:明るい色の屋外用塗料を使い、内側は塗らないこと。塗料はハチを入れる前に十分乾かします。
  6. 冬の手入れ:空いた段を削り、ひび割れを直し、ゆがんだ部品を取り除きます。空の巣板はハチノスツヅリガから守りましょう。

よくある失敗

  • 寸法を確認せずに、異なるメーカーの部品を混ぜて使う。
  • 内蓋を裏返しに置いてビースペースを崩し、上桟と内蓋の間に無駄巣ができる。
  • 巣枠の間隔をあけて並べ、すき間に無駄巣をつくらせる。
  • 巣箱の内側を塗装したり、においのある防腐剤を塗ったりする。
  • 雨漏りする外蓋を冬まで直さずに放置する。

よくある質問

巣箱に欠かせない部品はどれ?

底板、少なくとも一段の育児箱、巣枠、内蓋、外蓋が基本の部品です。継箱、隔王板、蜂逃がし、仕切り板は用途に応じて追加します。

網底と閉鎖型の底板、どちらがいい?

網底は通気がよく、バロアダニの監視がしやすくなります。閉鎖型の底板はより暖かく保てます。寒い地域では、冬に網底の下にトレイを差し込むと風の吹き込みを防げます。

内蓋はなぜ必要なの?

外蓋がプロポリスで固着するのを防ぎ、巣内の環境をやわらげ、給餌器や蜂逃がし用の穴を提供します。

巣箱の内側は塗装する?

しません。塗装するのは外側だけで、内側はハチがプロポリスで覆う自然な木のままにしておくべきです。

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