群勢維持と多群箱(分割板式巣箱)

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多室巣箱(仕切り付き巣箱)とは、一つの胴体を蜂が通れない仕切り板で区切り、複数の小さな蜂群を横に、あるいは上下に並べて収める巣箱の構成です。蜂群の支援とは、弱い蜂群や小さな蜂群を、保温・蜂・蜂児の面で強群の力を借りて維持することです。こうした構成は、核群の越冬、交尾、予備女王蜂の確保、弱群の救済などに使われます。

多室巣箱はどのように機能する?

胴体は、蜂が通り抜けられないようにぴったり収まる仕切り板で区切られます。それぞれの区画に専用の巣門、専用の女王蜂、専用の巣枠があり、蜂群は互いに独立して暮らします。一方で、共通の壁を通して熱を分け合います。

小さな蜂群は、その容積に比べて広い表面から熱を失います。隣り合う二つの小さな蜂群は、別々の箱にいる二つの蜂群よりも熱の損失が少なく、蜂児を暖かく保ちやすくなります。これは特に越冬中の核群や、冷え込む春の夜に役立ちます。

パレットの台の上に並んだ二つの核群箱
共通のパレットの台の上に並んだ核群箱。小さな蜂群どうしが近くにいると、風や熱の損失の影響を受けにくくなります。 写真:Maja Dumat from Deutschland (Germany) / Wikimedia Commons · CC BY 2.0

多室構成と支援構成の種類

一つの胴体を仕切った核群

標準の育児箱を、中央にぴったり収まる仕切り板で二つ(またはそれ以上)に分け、各区画に数枚の巣枠の蜂群を入れます。巣門は別々の方向に開けます。区画ごとの内蓋か、区画の間で蜂が行き来できない上部の覆いが欠かせません。

多室の交尾箱

2室または4室の小さな箱で、各区画で1匹ずつ若い女王蜂を交尾させます。少ない蜂で多くの女王蜂を得るための一般的な方法で、詳しくは「交尾箱」のページにあります。

草地に置かれた2室の白い交尾箱
2室の交尾箱:同じ胴体の中で仕切り板で分けられた二つの小さな蜂群が熱を分け合います。巣門は別々の方向に開けなければなりません。 写真:APHA (National Bee Unit), Crown Copyright · Open Government Licence v3.0 (Crown Copyright)

強群の上に置く核群(二重金網の仕切り板)

強群の上に、二重の金網を張り専用の巣門を持つ仕切り板(ダブルスクリーンボード)を置き、その上に核群を載せます。下の蜂群の熱が上がって小さな蜂群を温めますが、二重の金網が蜂どうしの接触やけんかを防ぎます。上の蜂群の巣門は下の蜂群と反対向きに開けます。シーズンの終わりに仕切り板を外して二つの蜂群を合同させることも、核群を別の巣箱に移すこともできます。

蜂小屋と共同の囲い

ヨーロッパのいくつかの国では、巣箱を蜂小屋と呼ばれる閉じた建物の中に横や上下に並べます。蜂群の胴体は別々でも、風から守られ、互いの熱を利用できます。こうした建物では、蜂が自分の巣箱を見つけられるよう、色とりどりの前面と異なる巣門の目印が欠かせません。

茅葺き屋根の蜂小屋に並ぶ色とりどりの前面の巣箱
スロベニアの茅葺き屋根の蜂小屋。横や上下に並べた巣箱は風から守られ、色とりどりの前面が蜂の帰巣を助けます。 写真:david__jones / Wikimedia Commons · CC BY 2.0
異なる色に塗られた巣箱の前面
異なる色に塗られ、番号が付けられた巣箱の前面。巣門どうしが近い場合、色や模様の違いが蜂や女王蜂の迷い込みを防ぎます。 写真:Ermell / Wikimedia Commons · CC BY-SA 4.0

多室巣箱は何に使う?

  • 核群の越冬:秋に作った小さな蜂群は熱を分け合ってより安全に冬を越し、春にはすぐ使える予備になります。
  • 女王蜂の交尾:同じ胴体で複数の若い女王蜂を交尾させます。
  • 予備女王蜂:無王になった蜂群に与えられるよう、産卵中の女王蜂を用意しておきます。
  • 蜂群の増殖:区画の小さな蜂群が強くなったら、別の巣箱に移します。
  • 弱群の救済:単独では冬を越せない蜂群が、強い隣人の熱を借りるか、合同されます。

巣門の向きと目印:最も重要なポイント

多室構成で最も多い失敗の原因は、蜂、特に交尾飛行から戻った若い女王蜂が違う区画に入ってしまうことです。よその区画に入った女王蜂はたいてい殺され、迷い込んだ蜂は一方の区画を強くし、もう一方を弱くします。

  1. 巣門は別々の方向に開けます。隣り合わせに二つの巣門が必要な場合は、できるだけ離します。
  2. 巣門の周りを違う色に塗ります。蜂は青と黄色をよく見分けます。
  3. 巣門の周りに三角、丸、線などのはっきりした図形を付けます。
  4. 多室箱を平坦で単調な一列に並べないようにし、近くの木や石などの自然の目印を活用します。
赤く塗られた巣門の周りを飛ぶ蜂
赤く塗られた巣門の周り。色の目印があると、交尾から戻った女王蜂が自分の区画を見つけやすくなります。 写真:Maja Dumat from Deutschland (Germany) / Wikimedia Commons · CC BY 2.0

蜂群の支援:弱群を強くするには?

多室構成のほかにも、弱群を支える方法があります。まず弱っている原因を突き止めましょう。女王蜂の問題、病気、バロア、あるいは飢えです。原因がわからないまま支援しても無駄になります。

  • 蓋がけ蜂児を与える:強群から、付いている蜂を振り落とした、羽化間近の蓋がけ蜂児の巣枠を与えます。まもなく若い蜂として加わります。弱群が覆いきれないほどの蜂児を与えてはいけません。覆われない蜂児は冷えてしまいます。
  • 若い蜂を与える:未封蓋の蜂児枠に付いている若い育児蜂は、たいていけんかにならずに受け入れられます。年をとった外勤蜂は元の巣箱に戻ります。
  • 空間を狭める:仕切り板で巣箱の容積を蜂群が覆える程度に小さくし、巣門も狭めます。
  • 合同:冬を越せないほど弱い蜂群は、別の蜂群と合同させます。弱い二群を越冬させるより、しっかりした一群を越冬させるほうが賢明です。
病気の兆候がある蜂群、特に腐蛆病が疑われる蜂群から、巣枠、蜂、ハチミツをほかの蜂群に与えてはいけません。腐蛆病が疑われる場合は家畜保健衛生所に届け出る必要があります。

区画を合同させる手順

  1. 女王蜂を選ぶ:合同する二群のうち、弱いほうか年をとったほうの女王蜂を取り除きます。
  2. 新聞紙法:仕切り板を外し、代わりに小さな切れ目をいくつか入れた新聞紙を置きます。
  3. 待つ:蜂は1~2日で新聞紙をかじって穴をあけます。その間に匂いが混ざり、けんかが減ります。
  4. 整える:新聞紙の残りを取り除き、蜂児が中央に来るように巣枠を並べ直し、余分な巣門を閉じます。

多室巣箱の限界とよくある失敗

  • 隙間のある仕切り板:わずかな隙間でも蜂が行き来し、けんかや女王蜂の喪失につながります。仕切り板がぴったり収まり、反っていないかを定期的に確認しましょう。
  • 共通の刺激:一つの区画を内検すると隣の区画も落ち着かなくなります。内検は短時間で済ませましょう。
  • 病気の伝染:近くの蜂群の間では蜂の迷い込みや道具の共用によって病気が広がりやすく、道具の衛生が重要になります。
  • 盗蜂:小さな区画は自分を守るのが苦手です。巣門は狭くし、給餌は夕方に行いましょう。
  • 重さ:満杯の多室箱は運ぶときに重いうえ、すべての蜂群に同時に影響します。
一方が開いた二つの木製核群箱
細長い木製の核群箱。仕切り板と別々の覆いを加えれば、二つの小さな蜂群を収める構成にもできます。 写真:Maja Dumat from Deutschland (Germany) / Wikimedia Commons · CC BY 2.0

よくある質問

多室巣箱の二つの蜂群はけんかしない?

仕切り板がぴったり収まり、上部で蜂が行き来できなければけんかしません。けんかの原因の多くは、隙間のある仕切り板か共用の内蓋です。

核群を多室巣箱で越冬させられる?

はい。熱を分け合えるので、この方法は核群の越冬によく使われます。各区画に十分な貯蜜があり、湿気と換気が管理されていることが条件です。

二つの区画を合同させるにはどうすればいい?

一方の女王蜂を取り除き、仕切り板の代わりに切れ目を入れた新聞紙を置いて、蜂が自分たちで新聞紙を破るのを待ちます。

弱群に蓋がけ蜂児を与えれば必ずうまくいく?

弱っている原因が女王蜂、病気、バロアであれば、蜂児を与えても問題は解決しません。まず原因を突き止め、蜂群が覆える以上の蜂児を与えないようにしましょう。

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